あたしより幸せにならないで
まんごーぷりん(旧:まご)
プライベート・ティーチャー
第1話 プライベート・ティーチャー ①
某国立大学の医学部1年、
週2回、1回あたり3時間。時給は3000円。条件は、悪くない。しかしまだ中学一年、高校受験も無いというのに、こんな大学生ごときに週に1万8000円も払っていったい何がしたいのか。桜はそんなことを考えつつも、自分に有利なこの仕事をかってでた。
美味しい話には、裏がある。――この件も、やはりそうだった。
「ほんと、助かったよ~」
家庭教師仲介業者からのメールを受け、二つ返事でOKした桜に、愛想の良い塾長さんは言った。
「今回の生徒さん――
――実力が無ければ即クビ、ということか。まあよい。別に生活に困窮しているわけではなかった。国立とは言え決して安くはない学費。学科でしばしば行われるコンパ。所属している合唱サークルの会費。バイトをする理由なんて遊ぶカネ欲しさ、といったところだろうか。生活がかかっているわけではない。クビになったって、また次のバイト先を探せば良いだけじゃないか。何せ桜は優秀なのだ。
そして今日、桜は家庭教師バイト初日を迎えた――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます