第39話

キーンコーンカーンコーン------




「ーーーーーーーー…あれ、二十円足りない」


自動販売機の前で焦っている勇斗。




「ーーーーーーーー…二十円、二十円ないと買えないって…」


どうしたら買えるかを勇斗は考えていた。




「………っ」


その姿を見ている財布を持った女ーーーーーーーー…










「何やってんの勇斗?」


その女の横からヤンキー風な女子生徒が声をかけてきた。




「ーーーーーーーー…あぁ藤本、悪いんだけど二十円貸して」




「ったく、貸して下さいだろ」


笑いながら藤本はお金を入れる。




ガコンっーーーーーーーー!!






「ーーーーーーーー…ありがと、二十円貸してくれるの藤本くらいだから」


勇斗はコーヒーを飲みながら話す。




「二十円足りないのなんかオメーくらいだよ」




「ーーーーーーーー…そうかも」




「ったく、今度は倍返しだかんな」




「ーーーーーーーー…じゃあ、テストの赤点回避の手伝いで」



「よしっ、それで手を打ってやるよ」




「ーーーーーーーー…了解」




そのまま二人は教室の方に歩いていった。
















「………ふん、アンタ達みたいに軽い女ーーーーーーーー…勇斗が本気で相手するわけないじゃない」


勇斗の後ろ姿を見ながら、女はニヤリと笑っていた。

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