第53話

その日の夕方ーーーーーーーー…




勇斗はリビングでグッスリ寝ている。




ーーーーーーーー…ガチャ




丁度そこにヒカリが入ってきた。




「イサトおにーちゃん、ねてるの?」


声をかけても、体を揺らしても勇斗は起きなかった。




ヒカリは勇斗の腕の中に体を入れる。


「………ん~」


ヒカリは勇斗に体を摺り寄せる。


「ーーーーーーーー…ヒカリ?」


腕の中にいるヒカリの姿に驚き半分、安心が半分だった。




「あのね、あのね、ようちえんのカバンにクレパスがはいってたよー」




「ーーーーーーーー…それってサンタじゃん」


「サンタぁ~?」


ヒカリは驚いていた。




「ふっふーん」


ヒカリは目をこする。


「ーーーーーーーー…眠い?」


「んーーーーーーーー…」


「ーーーーーーーー…眠る?」


「いや、コワイのくる」


まだ怖さが拭いきれていない様子のヒカリーーーーーーーー…


「ーーーーーーーー…大丈夫、もう来ないよ」




「………ヒカリがおきてもいてね」


「ーーーーーーーー…うん、ちゃんといるよ………だからオヤスミ」


勇斗が頭を撫でると、安心したのかヒカリはスグに眠りについた。
















リビングに入ってきた母と満琉ーーーーーーーー…


「あら、あの二人あんなトコで寝てるわ」



「仲良しで良いね」


「これじゃ、離れる時にヒカリちゃんは大変よ」


「どうだろうね」


母は笑いながら台所に入って行った。

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