第48話

学校に着いてから、勇斗は必死に本を読んでいる。




「勇斗、朝から何読んでるッスか?」


保柘が話しかけてくる。




「表紙に女の子の育て方って書いてますね」


康治はゲームの傍ら本を見ながら話す。




「ついにッスか!?ついにッスか!?」




「え~、誰の子供なの~」


保柘や知花が冷やかしてくる。




「ーーーーーーーー…悪いけど、今は必死だから構わないで欲しい」


珍しくハッキリとモノを言った勇斗に二人は顔を見合わせる。




「ノリ悪いぞ~」


「ノリ悪いッスよ」


それでも二人は勇斗を冗談混じりに冷やかす。




「ハイハイ、二人ともソコラで止めましょう」


「……勇斗……今回……本気」


康治と葉子それぞれが外に連れていった。










「ーーーーーーーー…ハァ、どうしたら良いんだよ」


勇斗は頭を抱え込んで考え続けている。






「アンタって困ったら、とりあえず本なんやな?」




「ーーーーーーーー…松蔵」




「本に載ってるもんだけが全てやないで」




「ーーーーーーーー…それって?」




「知るか!?」




心晴は立ち上がって、教室から出ていった。



















「何で、あんなガキの事ばっかり…前はあんなじゃなかった…勇斗ーーーーーーーー…あの子がいるから……」


女子学生は顔を紅潮させて感情を露にしていた。

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