第49話

キーンコーンカーンコーン------




「ーーーーーーーー…失礼します」




「コラ、竹之内!!!?先生の話はまだ終わってないぞ」


勇斗は担任の言葉も無視して、駆け足で幼稚園に向かった。












『大人が気づいてあげなきゃダメなのよ』


『今のヒカリちゃんにはアンタしかいないんだから』


勇斗は汐莉の言葉をしっかりと受け止めて理解していた。






「あのーーーーーーーー…」


声をかけてきたのは祖母より年上のオバアちゃん。


「一丁目の八谷さんの家に行きたいんだけど迷ってしまってーーーーーーーー…」


オバアちゃんは本当に困っているみたいだ。




「ーーーーーーーー…地図とかあります?」




「コレなんだけど……何か疲れてしまって………」




「ーーーーーーーー…わかった、一緒に行ってあげるよ」




「ありがとうねぇ、アンタって優しいねぇ……」


オバアちゃんは勇斗に拝み始めた。




「ーーーーーーーー…拝まなくて良いから、早く八谷さんの家に行こっか」


勇斗はオバアちゃんの荷物を持って歩き出した。

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