第10話

その日、全ての授業が終わり生徒達はゾロゾロと下校していく。


勇斗も教科書を片付け、教室から出ていくと




「竹之内 勇斗ーーーーーーーっ」


廊下で担任に呼び止められた。


「ーーーーーーーー…先生、何ですか?」


「お前、この前やったテストの時いなかっただろ?」


「ーーーーーーーー…いつテストなんか?」


「…ハァー、まったくお前ってヤツはーーーーーーーー…今からテストやるぞ」


「ーーーーーーーー…えっ、いや、今日は予定あるからムリです」


「予定って一体なんだ?」


「ーーーーーーーー…幼稚園の送り迎えに行くんです」


「あぁ、送り迎えなぁーーーーーーーー…って、お前っ本当に子供いんのか!!!?」


担任は廊下の隅々までに響く位のデカイ声で叫ぶ。


「ーーーーーーーー…先生、俺のコトそんな目で見てたんですか?」


「見てるよ!!ーーーーーーーー…っと言うか、清田の話は冗談だと思ってたのに、お前の口から聞いたら普通はそうなるだろ!!!!!」


担任は即座に切り返す。


「ーーーーーーーー…ヒドイ」


「ヒドイじゃないぞ!!下らん冗談を言うな!!今日スッポカしたら、お前のコトはもう知らんからな!!」


そう言い残して、担任は去っていった。

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