第44話

「なに?ヒカリちゃんの様子がおかしい?」


休日、リビングで集まっている家族に勇斗は話した。


「アンタにおかしいなんて言われたくないわよ!?」


「ーーーーーーーー…いや、相談してんだからマジメに聞いてくんない」


勇斗は少し呆れる。




「アンタの育児が悪いんじゃないの?」




「ーーーーーーーー…えっ?」




「だって、子供は親の背中を見て育つって言うでしょうが?アンタがシッカリしろ!!」


汐莉は当たり前だと言わんばかりの顔で言った。




「ーーーーーーーー…そっか」


勇斗は汐莉の言葉をしっかりと受け止めていた。












「………」


ヒカリはリビングの様子を扉の陰から確認すると、音を立てないように家から出ていった。




「あれっ、ヒカリちゃん」


出ていった所を見た満琉は特に気にする様子もなく、リビングに入ってきた。




「ヒカリちゃん、一人で出掛けたんだね」




「「「「えっ?」」」」


満琉の方を全員が見た。




「ーーーーーーーー…何で、ドコ行くって?」




「知らないよ」




「ーーーーーーーー…何で止めないんだよ」




「だって、一人で運動でもするのかなと思ったから」




「ーーーーーーーー…お前と一緒にするなよ」


勇斗は呆れながら言う。




「僕も探すの手伝うよ」




「ーーーーーーーー…いや、一人で大丈夫」


勇斗は上着を手に持って、家を出ていった。

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