第31話
「おはようッス」
「おはようございます」
学校に着いて靴を履き替えていると、保柘と康治が声を掛けてきた。
「ーーーーーーーー…おはよう」
「今日は遅刻じゃないッスか?」
「ーーーーーーーー…まあ、毎日遅刻ばかりじゃダメだろ」
「そうッスね」
「でも、勇斗の場合は学校に来ていても授業に出てない事が多いですからね」
康治のオブラートに包んだツッコミに三人は盛り上がっている。
「あ~アレって勇斗達じゃない~」
「……何か……笑ってる」
「ホンマ朝から元気やな」
心晴、葉子、知花の三人は盛り上がっている勇斗達を遠目から眺めていた。
「そうだ~二人とも予習やってきた~?」
「……完璧……仕上がり」
「ウチも一応やってきたケド」
心晴と葉子は当たり前だと言うように答える。
「……見せない……よ」
「え~!!?見せてくれても良いじゃ~ん」
「……ダメ……知花は……頼り過ぎ」
「いつもは見せてくれてるのに~」
「……高校生なら……少しは……自分の……力で」
「うわ~ん!!?葉子がヒドイよ~!!」
いつもながらの知花と葉子の姿ーーーーーーーー…
「それやったら、ウチのノート見せたろか?」
「ホント~」
「葉子みたいに完璧とは言われへんケド」
「神様、女神様、心晴様」
「…心晴…甘過ぎ…」
「まあまあ、そう言わんとーーーーーーーー…」
呆れる葉子を横に笑いながら心晴は鞄からノートを取り出して差し出す。
どっーーーーーーーー…!!
「!」
心晴の後ろから女子生徒が体に当たった。
ーーーーーーーー…パサッ
当たった拍子に何かが落ちた。
「「「!!!?」」」
三人は目の前に落ちた手帳を見て驚いた。
ばっ!!?
タッタッタッーーーーーーーー…
女子生徒は慌てて手帳を拾うと、足早に走り去った。
「「「…………???」」」
走り去っていく女子生徒に三人は言葉を失う。
「何々~今の人~」
「……当たったのに……謝らない……ダメだね」
「別にエエよ、少しムカついたケド平気やから」
女子生徒に対して、三人三様の言葉が出る。
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