第26話

「ーーーーーーーー…ハァー」


勇斗は屋上で横になって考えていた。


「ーーーーーーーー…スゴイ喜んでたよなーーーーーーーー…なのにオニギリだけって………」


ヒカリの笑顔が勇斗の頭に浮かぶ。






『パパのつくったオニギリたべたい』


その言葉を鵜呑みにした事を後悔する。











「何してんの?」


「ーーーーーーーー…松蔵」


勇斗は体を起こした。


「ホンマに屋上いるんや」


「ーーーーーーーー…まあ」


「先生が呼んどった……じゃあ、それだけやから」


心晴は屋上から降りていった。













「ーーーーーーーー…松蔵」


廊下を歩く心晴に勇斗は追いついた。


「ーーーーーーーー…呼んでた先生って誰?」


「担任」


「ーーーーーーーー…ワザワザ屋上まで呼びに来てくれて、本当にありがとう」


勇斗はニコっと礼を言うと


「いや、知花と葉子が寝てもうたから」


心晴は即答した。






「ーーーーーーーー…そっか、理由はどうあれ呼びに来てくれたのは本当の事だから、ありがとう」


勇斗はそう言うと、教務室に向かった。
















「ありがとう……か」


心晴は勇斗の背中を見て、少し笑った。

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