「せんせぇｰｰｰｰｰｰｰｰいただきます、みなさんｰｰｰｰｰｰｰｰいただきますっ」

「はい、では皆さん、良く噛んで食べましょうねー」

幼稚園でも昼食の時間になり、子供達はお弁当を食べ始める。

「ハンバーグおいしぃー」

「ぼく、オムレツすきー」

ヒカリも皆と同じ様に勇斗の作ってくれた弁当を鞄から取り出した。

「ヒカリちゃんもキョウおべんとうだ!!」

「うんっｰｰｰｰｰｰｰｰ…ヒカリの……」

ヒカリは胸を踊らせながら弁当袋の紐を緩める。

「オニギリ………」

ヒカリの目の前に少し形のイビツなオニギリが二つ並んでいる。

ｼｰﾝｰｰｰｰｰｰｰｰ…

あまりに拍子抜けで周りの園児達も言葉を失う。

「キャハハハ!!」

そんな中、ススムが笑いだした。

「えぇ、なにコレっ!?まずそーっ!!」

ススムはヒカリのオニギリを指さして笑い続ける。

バチンッｰｰｰｰｰｰｰｰ!!

「えっ……!?」

(何の音!?)

先生が振り返ると、顔を赤らめて右手を高く上げているヒカリの姿。

「…う…う…う…うわあぁぁぁｰｰｰｰｰｰｰｰ!!!!」

ビンタされたススムは体を震わせると、セキを切ったように泣き出した。

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