第22話

「ーーーーーーーー…保柘、何でそんなに興奮してんの?」


教室に戻ってきた勇斗が声をかける。


「勇斗、ヤマが当たって康治は63点も取ってるッスよ!!スゴくないッスか?」


「ーーーーーーーー…へぇ、スゴイじゃん」


勇斗は感心していた。




「勇斗は何点ッスか?」






「ーーーーーーーー…95」


「95ッスか!!」


「ーーーーーーーー…うん」


勇斗は答案用紙を保柘に渡した。


「95点ッスねーーーーーーーー…でも、何で97点から減点されてるッスかね?」


「ーーーーーーーー…途中式が間違えてたから、正しい点数にしてもらった」


「何でそんな勿体ない事するッスか!?黙っとけば97点ッスよ」











「ーーーーーーーー…あっ!?」


勇斗はハッと気付いた。


「…勇斗は賢いッスけど、ドッカ抜けてるッスよね」


保柘は笑っていた。






「それで保柘はどうだったんです?」


康治がゲームをしながら尋ねた。




「26点ッスよ!!」


保柘は破れかぶれに言った。






「ーーーーーーーー…でも、前より二点も上がったじゃん」


「えっ?」


「ーーーーーーーー…あれだけ毎日バスケやってたら上出来だろ」


「中学の都大会MVPで高校では一年で既にバスケ部のエースですからね」


「ーーーーーーーー…あの集中力を勉強に向けられたら俺だって敵わないって」


勇斗は笑いながら言うと、康治も微笑みながら頷いていた。

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