第42話

「何やってんの」


後ろから心晴が女子学生に声をかけた。




「!!!?」


女子学生は心晴の登場に身をビクつかせた。




「アンタ、誰や?」




タタッタタッーーーーーーーー…


女子学生は無言で走り去ってしまった。






「ーーーーーーーー…?」


心晴は走り去った女子学生の姿をジッと見ていた。






「………おねーちゃん?」


ヒカリは心晴を見つめる。








「ーーーーーーーー…あれ、松蔵?どうして二人で一緒?」


コンビニの袋を片手に勇斗が帰ってきた。






「イサトおにーちゃん!!」


ヒカリは勇斗の足にしがみついた。




「ーーーーーーーー…?」


勇斗は全く状況の分からずにいる。






「ーーーーーーーー…って、あれ?松蔵帰っちゃったんだ」


振り返ったら心晴は遠くの方までスタスタと歩いていた。




「ーーーーーーーー…ヒカリ、もう帰ろっか?」


「うん」


勇斗とヒカリは手を繋いで公園から出ていく。















「………」


ヒカリはゴミ箱に捨てられたクレパスをズッと眺めていた。

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