四歩目
第38話
今日も慌ただしい朝を送る竹之内家の人々ーーーーーーーー…
「あぁー!!!?」
リビングで汐莉が新聞を読みながら叫んでいる。
「ーーーーーーーー…姉貴、今日は一段と機嫌悪いな」
「何でも景気が何だとか朝からズッとだよ」
台所から出てきた勇斗に満琉がゴハンを食べながら話す。
「何で今さら単価が下がるんだよ!!!?」
触らぬ神に祟り無しとはこの事だーーーーーーーー…
「汐莉、そんなにカリカリしてたら出来る事も出来ないわよ」
母は汐莉を諭しながら話して、ニボシの袋を手渡す。
「ありがと」
まだ少し気持ちが高揚しているみたいだが、ニボシを噛んで紛らわしていた。
「………」
ニボシを食べている汐莉の前でヒカリが髪をとかしている。
「………ヒカリちゃん、髪の毛結ってあげようか?」
「えっ!?」
「コッチおいで」
「うん」
ヒカリはクシを持って汐莉の前に座った。
「はい、出来たよ」
汐莉はヒカリの前に鏡を差し出した。
「………」
ヒカリは鏡に写る自分の姿に目を奪われている。
「ヒカリのかみのけカワイイねーーーーーーーー!!」
ヒカリは感激している。
「そっか、そっか」
(髪の毛じゃなくて、アンタがカワイイんだよ!!)
汐莉はヒカリの姿に感激している。
「ーーーーーーーー…ヒカリ、そろそろ行こうか」
勇斗が制服に着替えて、部屋に入ってきた。
「ーーーーーーーー…今日のオカズは回鍋肉(ホイコーロー)だよ」
「ほ……ほい…?」
ヒカリは上手く口が回ってない。
「おいっー!?勇斗!?それは私のブッチのスカーフ!?」
勇斗が弁当の包んでるモノを見て、さっきまで安定していた汐莉の気持ちが一気に上昇した。
「あーまた、アンタはイライラして………」
母は呆れながら汐莉を諭している。
「ーーーーーーーー…あっ、肉汁が溢れてる」
勇斗のウッカリーーーーーーーー…
「わぁーーーーーーーーっ!!!?」
汐莉の悲鳴ーーーーーーーー…
「はやくいこうよーっ」
ヒカリが靴を履いて、玄関で叫んでいる。
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