第8話

「あれっ、勇斗のヤツまだ来てないッスね?」


「どうしたんだろうね~」


「……寝坊……それか……事故?」


「さすがに事故は縁起悪過ぎるやろ?」


「いつもみたいにその内に来ますよ」













ガラッーーーーーーーー…


「おっ、来たッスよ」


「おはよぉ~、勇斗」


「ーーーーーーーー…」






バタッーーーーーーーー…


自分の席についたと同時に勇斗は倒れた。


「うわっ、勇斗どうしたんッスか!?」


「ど~したの勇斗!?」


保柘と知花が机に倒れている勇斗に声をかける。




「ーーーーーーーー…ナンテ」


虚ろ虚ろした目で勇斗はブツブツと言っている。


「どうしたッス、勇斗?」




「ーーーーーーーー…子供なんて」


「子供がどうしたの~?」








「ーーーーーーーー…俺、子供なんて一生いらない」


((((((ーーーーーーーー…!?))))))


勇斗の発した言葉に周りの席に座る康治や葉子達は勇斗を見た。




「先生~勇斗が子供なんていらないって言ってるんだけど~」


知花は手を挙げながら担任に伝える。


「先生は竹之内のプライベートまで教育したくありませんーーーーーーーー…」


担任は慣れた感じで話を流した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る