第18話

ジャーーーーーーーー…






「ーーーーーーーー…プハッ」


洗面所では満琉が顔を洗っていた。




「……ンー……ンー……」


顔を拭いている満琉の横で必死に洗面台に手を伸ばすヒカリがいる。


「ヒカリちゃん、ちょっと待って」


満琉は洗濯機の横から小さな台を出してきた。


「コレで届くでしょ」


「ありがとー」


ヒカリは満琉の用意した台に乗って歯磨きを始めた。




「…ミチルおねーちゃん」


「ん?」


ヒカリに呼ばれて、満琉は歯磨きの手を止める。


「イサトおにーちゃんにはカノジョがいるの?」






「………」


ヒカリの質問に満琉は頭を掻きながら考える。




「っんーーーーーーーー…?彼女はいないと思うけど……」


「じゃあ、ヒカリはイサトおにーちゃんのカノジョになる!!」


ヒカリは屈託のない笑顔で言った。






ーーーーーーーー…ポロ


ヒカリの発言に満琉のくわえていた歯ブラシが口から落ちた。


「ぜったいミンナにはナイショだよっ」


ヒカリはニコニコしながら洗面所から出ていった。















「おーい、竹之内家の皆~五歳の女の子が今この瞬間人生を踏み外してるよ~」


一人残された満琉は洗面所で叫んでいた。

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