第2話

「ぷっはははっ!!どうしたッスか勇斗、オデコすごいッスよ」


「ーーーーーーーー…」


勇斗のオデコに出来たタンコブを見て、本間 保柘(ホンマ タモツ)は笑っている。


当の勇斗は若干ふて腐れている。




「始業のチャイムが鳴っているの気づかなくて屋上にいたら、先生に見つかって殴られたらしいですよ」


勇斗のオデコのタンコブについて、ゲームをしながら早辺 康治(ハヤベ ヤスハル)が説明する。




「ね~ね~オデコ触らしてよ~(笑)」


勇斗の腫れたオデコを興味津々な様子で触ろうとしている清田 知花(キヨタ チカ)


「ーーーーーーーー…ダメだって」


皆言いたい放題ーーーーーーーー…




「……自業……自得……ねぇ……心晴」


静かな一言を放つ志場 葉子(シバ ヨウコ)


葉子に呼ばれ、前の席に座る松蔵 心晴(マツクラ コハル)はゆっくり振り返った。








ーーーーーーーーが、勇斗と目が合うと、スグに目を離した。


「何だかんだで授業出てないと~テストで赤点取るんだかんね~(笑)」


知花が勇斗の耳を引っ張りながら言うと


「ーーーーーーーー…大丈夫だよ、勉強しなくても赤点取った事ないし」


勇斗はマジメに答えた。


「そんなこと言うヤツはテストの日に寝込んだら良いッスよ~」


保柘が遠い目で窓に向かって叫んでいる。






ーーーーーーーー…ガタッ


「あれ心晴、もう帰っちゃうの~?まだ昼前だよ~」


「どうも調子悪いみたいやから帰るわ」


心晴はそう言って、鞄を肩にかける。


「……気を……付けて」


「ほな、お先に」


心晴は知花や葉子に小さく手を振ると教室から出ていった。











「ーーーーーーーー…なぁ康治、今日の授業って何だっけ?」


「英語、日本史、古典ですよ」








「ーーーーーーーー…帰る」


勇斗は帰る準備をして、早々に教室から出ていった。











「帰っちゃったよ~(笑)」


「聞かれるまで黙っとくってどうッスか?」


「……スグ……聞かれる」


「毎回毎回、言い訳を考える方の身にもなって欲しいモノですよ」


四人は小さく溜め息をついた。

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