異説・百物語～物部カタルは斯くも語りて～【カクヨムコン10参加作品】

陰陽道と百鬼夜行。

人の産み出す悲しき因果。

その口から溢れ落ちるは、落胆か、一筋の光か。

紡ぐ口上、流れる術式。

人を騙る鬼は饒舌に語り

その業を雪ぐべく、物部カタルも斯く語る。

人と妖、言葉と言霊。

現代に生きる陰陽師のモノガタリ。

ここに開幕。

妖しき怪異、儚き愛、消えゆく記憶、語られざる真実……。
語るたびに世界は揺れ、物語は新たな姿を見せる。

語られる百の物語が繋がるとき、
この世界の"真実"が明らかになる──。

幻想×伝承×謎解きが絡み合う、
新感覚の異説ファンタジー、開幕！

こちらの作品、単なるホラーとは一線を画します。
もし、あなたの大切な親友が妖だったら？
そして、騙されたほうが悪いとばかりに牙をむいてきたら？
妖は憎むべきもの、やっつけてしまえば一件落着……そんな軽いお話ではないのです。
しかも、助けに入った陰陽師の物部カタルは万能ではない。
妖に痛めつけられ、ピンチになります。
そこで彼がとった行動とは……？

とにかく奇抜なお話で、胸が痛んだり、「なるほど！」と納得したり、感情のアップダウンが激しいです。
一味違う特別なホラーが読みたい方、強くおすすめします！

　学校という小さな世界に広がる、大きな異世界──『異説・百物語～物部カタルは斯くも語りて～』は、規律に縛られた青春の中に潜む怪異たちが、まるで思春期の不安や孤独を映し出しているかのようです。

　特に愛莉の「絡新婦（ジョロウグモ）」への変貌には胸を締め付けられました。抑えきれない衝動、偽りの仮面、そして孤独に抱えた傷…あの教室の窓際の席が、今も春香の記憶に刻まれているのが切ない。風紀委員長のカタルが冷静に事件を解決していく姿もまた、青春に現れる“導き手”そのもの。彼の呪符が、実は私たち自身の心の葛藤と対話しているように感じます。怪異はただ恐ろしいだけでなく、人の想念や絆が形を変えたもの。まる…続きを読む

怪異とはとても多く描かれ、とても多く読んだ事がある存在だと思いますが。こちらは、本当に斬新な怪異なので、自分が出会った事がない存在達だと思います！なので、楽しく読み進める事が出来ますし、次に次にと手が止まらないと思います！
ジャンルとしてはホラーなのですが、人が故に生まれる悲しさや切ない怪異の部分もあるので現代ドラマの様な部分もあるかなと思います。
絡新婦に河童。どちらも怖いだけじゃない、本当に素晴らしい物語です。
皆様、ぜひ読んでみてください！

「絡新婦」と「河童」。
どっちのお話も着地が素晴らしくて、自分は特に、河童が印象に残りました。

予想外の結末だったことに驚き、そして、「愛情って狂気と紙一重やん！ギリギリやん！」って戦慄して、ひや〜って背中が寒くなりました……。
猛烈に面白いホラーでした。

続編もいずれは出るかもしれないとのことなので、楽しみです！
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序盤の何気ない日常からホラー展開への切り替えがお見事でした。そして散りばめられていた伏線の回収が、これまた見事に読者を気持ち良くさせる様で、物語に完全に惹き込まれました。

楽しい日常から一転、その落差で
すでにガツンと脳に一撃喰らった気分にさせられます

人間と妖怪、そのおどろおどろしさが
よく表現された高品質のホラー作品です