街角の小さな花屋。そこで働く霧崎莉愛(きりさき りあ)は、清楚で可憐な女性店員。
だが、その正体は――日本で唯一の女性エクソシスト。
花を愛する彼女のもう一つの使命、それは"悪魔祓い"。
神秘の力を操り、闇に巣食う悪魔を討つ戦いを続けていた。
そんな彼女の前に現れたのは、オカルト雑誌の編集者・烏丸廉二郎(からすま れんじろう)。
彼の取材がきっかけで、莉愛の運命は大きく動き出す。
花と天使と悪魔、交錯する運命の中で、二人が向き合う真実とは?
可憐な花屋と巨漢オカルト編集者の異色バディが贈る、
華麗で激しいエクソシズム・アクション開幕!
憑く、という現象は、オカルトとして定番だが、化学の進歩により神秘が暴かれていくこの時代、科学的に原因が暴かれていくのも定番。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、が一例である。
狼男の正体は、狂犬病で原因であった。神隠しは組織的誘拐であった、と辻褄合わせのような結果もまた。
何より、この作品の売りは、悪魔たる超常的な存在が確かにいること。
一方で、憑いているのか、心に問題があるのかと、一つ目ではなく二つ目の目線で切り込んでいること。
刮目すべきは、祓うだけでは解決しないという人間性の高い展開。
誰の心にも悪魔がいる。天使だっている。
その両方を天秤の皿に乗せているのが、二面性持つ人間であると、如術に表してくる。
まあもっとも、人間ほど、悪魔に近い存在はいませんけどね……