変化
ゲーム幻想奇譚エリュシオンでは、主人公の行動によってストーリーが分岐するマルチエンディングが採用されている。
“ノーマルエンド”と”トゥルーエンド”
私の知る限り、この二つが物語のエンディングとして確認されている。
ただしノーマルエンドに関しては名ばかりの物だ。
このルートは、あらゆる火種を放置して終わるもんだからハッピーじゃないんだよ。
簡潔に説明するとだね…
勇者を中心とした王国勢は戦いの末、魔王を討ち取り魔族を降す。
武力を以て、王国の平和を勝ち取るといったものだ。
和平は成立せず、主人公達は魔族達と敵対したままだ。
その上、王国が戦争に勝ったとしても、魔族を完全に根絶やしには出来ていない。
旧魔族領にあたる各地に、火種となる魔族を残したまま勇者達は王都に凱旋してエンディングを迎える。
もしかしたら王国は、このエンディング後に魔族の根切りを試みるかもしれんが。
敵対種族を残したまま占領を続けるのは、王国側としても極めて難しいからね。
ティアナ関連だとこのルートでは、邪神再誕に必要な秘宝も揃うことは無い。
顕現しなければ、邪神も討伐される事もないからな。
全盛期の力こそないが、邪神は滅びず密かに存在し続ける。
なお、この分岐におけるサティアは主人公達との闘いの末、敗死する。
敵対時の彼女は強力で、プレイヤーから見ればかなり恐ろしい存在だ。
私はゲームの一周目で敵対ルートに分岐した事があるが、アイツは本当に執拗に攻めてくるし、単純に強い。
一部界隈では、トラウマ製造機とか言われていた程だ。
仮にこのルートが現実となったら、こちらとしてもサティアを殺すしかなかっただろう。
手加減は自らの死を招く。
砦での一戦と違い、魔族領内で対峙する彼女には手心が一切ないから。
まぁ、なんだ。
今となっては、アホでバカで残念なポンコツ美人だがね…ふふっ。
それくらい言っても、バチは当たらんだろう。
宝物殿ダンジョンでは、思ったより活躍しなかったし。
魔族の幹部が、ダンジョンでセコセコ一緒にレベリングとかダサすぎるんだよ。
原作ゲームだと、仲間になったサティアはもっと有能だった。
パーティーに加入してからも、強さは敵対時と比べて然程変わらなかったし。
その時は、パーティの前衛で無双してたんだがなぁ。
なんでだろう…
私が独自の攻略チャートに走ったせいか?
いや、気にし過ぎだろう。
多少のブレはあるものさ。
それと、ノーマルルートで死ぬのはサティアだけじゃない。
魔王をはじめとして、多くの魔族が討ち取られる。
また魔王の妻エキドナは、病が治らぬまま自決する。
魔族側にとっては、この上なく最悪の展開だろう。
私としても、そんな未来は歓迎できない。
不必要な戦いは、極力避けるべきだ。
現実だろうとゲームだろうと、ね。
私は平和主義者なんだ。
あと、個人的に死なせるのに勿体無いキャラが多い。
私がノーマルエンドを厭う一因だ。
サティアや、魔王の愛婦であるエキドナあたりは良い例だな。
美女や美丈夫が苦しみ悶える姿は、私の栄養になる。
だから、無為に死なせるのはあまり好ましくない。
彼女達もまた、私が恍惚へ至るための大切なリソースとなり得るのだ。
すぐに殺すなど、とんでもない。
勿体無いじゃあないか。
私から見れば、他者は全て資源。
例えるならば、そうだな…
そう!カツオ節だ!
カツオ節ならば、美味しい出汁を取りきった後に捨てるのが宜しかろう。
ちなみに出汁を取り過ぎると、素材特有の臭みも出ちゃうから注意だぞ。
ああ…早く彼女達に、私の存在を刻み付けたいなぁ。
そうだな…
まずは、手近なサティアにするか。
アイツは間違いなく未通だ、性行為に耐性がない、きっとたぶん。
しかも日夜、魔王という上司をオカズに自慰三昧のむっつり助兵衛変態処女だ。
普段は私に対して、ツンケンとした態度のサティアではあるが…
そんな乙女な彼女も私に掛かれば、すぐにでも性的依存状態になるだろう。
昨日はサティアの寝室で二人きりになれたにも関わらず、彼女に酔い潰されてしまった。
酒に酔って機を逸するとは、我ながら恥ずかしい。
次は、こうはいかない。
近いうちに必ず、アイツを堕としてやる。
前世と異なり、今の私に自慢の竿は無いがね。
だがその程度の困難、一切れのケーキを食べるが如く飲み込んでやろう。
今生の私はそうやってネイ王妃やアナ、アーシャとエリナを堕としてきたのだ。
王都を去る頃には、ネイなんて私の囁き耳舐めプレイの中毒になっていた程だからな。
私がネイとアナに会う事は、もう二度とないだろうが。
ああ、私が死んだら彼女達はどんな顔をするのかなぁ。
“ズクンッ…”
ん、んんっ♡
彼女達と比べれば…処女を拗らせたサティアを堕とすなど、まさに赤子の手を捻るが如し。
それよりも、問題は彼女だ。
魔王の奥さんだ。
ハイリスクだが、エキドナとの不貞行為も試みたい。
もうネイ王妃とはそう簡単に遊べないから、彼女の代替品が必要。
それが魔王の妻であるエキドナ。
実の所、私は人妻も大好きなんだ。
それが高貴な身分ならば、尚更。
他人の女を抱くのは、最高に気分が良い。
他人の女を孕ませるのは、もっと気分が良い。
孕ませた子を堕胎させるのは、更に気持ちが良い。
托卵して産ませるのも悪くないが、堕胎させた方が彼女達の表情は絶望感で満たされるから。
本当に竿が無い事が悔やまれる。
厳密には子種袋付きの、ね。
あぁ、そういえば…前世の…
彼女達は、元気に過ごしているかなぁ…
何人かは、先に逝ってしまったけど。
残りがどうなったか、それくらいは知りたいなぁ。
私自身がどうなったかも分からないし。
もう会えないだろうから、別に良いけど。
っと、いけない。
つい前世を思い出して、郷愁に耽っていた。
とにかくエキドナはトップクラスで、手を出したらヤバい相手だ。
魔王に不倫がバレた時の事を考えると、とても恐ろしくなる。
893の女に手を出すよりも恐ろしい。
だがそのスリルを味わいたい気持ちが、私の恐怖心を塗り潰す。
もしかしたら、せっかく成立した和平が御釈迦になるかもしれないのに。
でもあの魅力的な肢体を味わいたい。
私に依存させたい。
相思相愛である、魔王夫妻にどうやって割って入るか。
今回は、私がお呼ばれしている立場だから比較的楽だろうが。
彼女と二人きりになれるタイミングがあれば何とか、といった所か。
そうなれば防音魔法を使って、ネイと同じく…
ん、んんッ♡
“ズクンッ”
ああ
また疼き出してきた
そんな事を考えてたら、すっごいムラムラするなぁ
最近は特にムラッ気が増えた気がする。
下腹部がキュンキュンする
うぅ、ヤりたい
気持ち良くなりたい。
やだぁ!
我慢できない!
あー!
前世ではこんな情欲、余裕で耐えられたのに…
何でぇ
もう…ボク我慢できない
ん…
あっ…透明で粘つく何かが、ワタシの太腿を伝い糸を引きながら滴り落ちる
気が付いたら床と肌着がビシャビシャだあ
謎の液体だぁコレ
あは なんでだろ
清純な身体なのに…
なんでぇ…
最近のワタシ、少しオカシイ…
オレどうなっちゃったのぉ…
あー…床がヌルヌルする…
サティアの家を汚しちゃったぁ…
あは
ヌルってしたー
クンカクンカ
うっ…!
スゥー…ハァー…
くっせぇ…!
ワタシのアレくっせぇですわ
こんなに匂ったか?オレのー…
浄化魔法”クリーン”
はぁ…
はやく誰かと百合百合したい
美人とイチャラブしたい
あー…
こうなったら、サティアの家で悪いが…
エリナかアーシャを呼び出して、持て余した欲をぶつけるか…
適当に相談があるって言えば、来るやろ。
うん、そうしよう
サティアのヤツは報告があるとか何とかで、魔王城に行ったし
家主不在なら、やりたい放題だ。
さっきみたいに、浄化魔法を使えば
証拠隠滅なんて、余裕でしょ。
さて、善は急げだ。
呼び出して部屋に連れ込んだら、防音魔法を貼って…
ああ、アーシャとエリナどっちにするかなぁ
あははは
♢
はぁー…スッキリしたぁ
なんか物凄く自我を失っていた気がするけど、冷静になれたからヨシ!
持て余した三大欲求の内、一つもメデタク解消!
私の横には、うつ伏せで痙攣してるエリナがいるけど、ヨシ!
やっぱり乱暴に抱く女は、エリナに限るよネ!
生粋の被虐体質だからね!
オラ、治癒魔法使ってやるから起きろ。
このドMクソ女。
また耳元で愛を囁きながら、絞めるぞ。
“エリナさん、好き…好きです…愛しています…んっ…ちゅ…”
アハハ…
コイツまたビクンビクンってしたぁー
・
・
・
・
・
ふぅっ…
ちなみに、アーシャにはアルト君の話し相手を任せている。
彼には、こんな百合プレイを見せてはいけない。
間違いなく性癖が破壊される。
アルト君には、綺麗な主人公のままでいてほしい。
だから彼の相手はアーシャに任せた、私の目論見は全ては完璧だ。
そういえば。
部屋のドアが、少しだけ開いていた気がするんだが…
うん、些事だな。
ドアの施錠を確認しようとしたら、エリナが積極的に求めてくるもんだから忘れてたわ。
まぁ大丈夫だろう。
防音魔法は完璧に貼っていたし。
わざわざ、エリナとの相談(意味深)を覗き見る馬鹿もおらんだろう。
さて、エキドナに関しては、どうするかな。
私が物語から退場するまでの間に、出来れば肉体関係へ持ち込みたいが。
私の体調と相談しつつ、慎重に検討していくか。
チャンスがあれば大胆に攻めれば良い。
注意すべきは、旦那である魔王だな。
アイツは怖いし、苦手だ。
いや今の私ならば、いつでも彼を叩き潰せるのだよ。
既に邪神を軽くボコっているんだ、魔王くらいは余裕さ。
苦手とは…闘うとか、そういった意味では無い。
戦闘力ではなくて、なんかこう…他人を威圧する空気感が、前職のパワハラ上司に似ている気がするのだ。
パワハラだめ、ゼッタイ。
まぁ、スリルや快感には代え難いし、積極的にエキドナの貞操を狙っていこう。
…っと、とんでもなく話が逸れたな。
プレイヤー達の間では、ノーマルエンドの後にティアナが勇者や国王を暗殺して、社会を混乱の渦に巻き戻す考察もある。
邪神復活に必要な秘宝を所持出来ていない原作ティアナならば、あるいは…
混沌を求める、主の思惑に従うだろう。
だが一方の、最高完璧フルアーマーパーフェクトThe best of 聖女のティアナ様であるこの私。
邪神とか言う筋肉ムキムキマッチョマンの変態からは、既に解放されているのでぇ?
(従う必要は)ないですね
正規ルートとは、過程が些か異なるけど…
トゥルーエンドに向かっている事は、概ね間違いないし、大丈夫っしょ(鼻ホジ)。
一番のヤマ場である裏ボス戦も、今のアルト君達なら余裕っしょ(鼻ホジ)。
ツー…
あ、鼻クソ深追いしたら鼻血が出た。
ツー…
やべぇ!白のカソックが真っ赤に染まるゥッ!
サティアの貫手くらった時みたいだ!
アカン!
ん゛っ、ん゛ん!
ーー少女浄化魔法中ーー
あー性欲を満たしたら腹が減った。
というか最近、体調というか身体そのものがおかしいんだよなぁ。
なんか熱っぽいし。
こないだは、食欲がなかったのに。
今は、逆にもの凄い飢餓感がある、
今後の活動で重要なのは、私のコンディションかもしれない。
相変わらず、突然に吐き気とか来るし。
あと、何となく胸が張ってきたというか、チクチクするというか…
ウェストも心なしか…
あれ…
でも、これって…
もしかしたら…
いや、でも…
ありえない…
もしかして私、太った?
デブった?
あー!ダメダメ!
いけないよ!
ヒロインが肥満とか最っ悪!
メタボヒロインはアカン!
いくらスーパーボディとは言え、暴飲暴食が過ぎたか。
流石にダイエットするかなぁ…
とりあえず明日から頑張ろ。
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