王妃と聖女

私は国王と会談の後、妃の華美な部屋に案内された。

既にそこでは妃が、侍女に茶を用意させていた。

スマートに準備を進める侍女達も、中々に美人揃いだ。

 

羨ましい。

 

茶が供されたという事は、個人的に積もる話があるようだ。

とりあえず、傾聴の姿勢でも整えておくか。

 

「さて、これで十分よ。これよりわたくしは、聖女様と”お話”いたします。アナタ達は下がりなさい」

 

妃に命じられた侍女は、王妃と私に向かい一礼した後、粛々と退室した。

 

「妃様、それで…ご相談とは具体的にどのような事でしょう?」

 

私は率直に、王妃へ尋ねた。

二人きりであれば、話を濁す必要もあるまい。

安心したまえ、上も下も、私の口は硬い方だ。

下に至っては当然、未開通だしな!

 

「はい…猊下は、聖女様でもあらせられますね?噂によれば、それは素晴らしい神の加護をお持ちであるとか…」

 

ああ、治癒魔法の事か。

何を求めているか、それとなく分かってきた。

 

「ええ、否定は致しません。もとより、その能力を以て、勇者達に助力している次第でございます故」

 

「その、相談なのですが…どうか、わたくしに聖女様から、神のご加護を賜りたいのです」

 

「なるほど…信仰厚い妃様であれば、きっと神のご加護を賜われるでしょう。それで具体的には、如何様な加護をご所望で?」

 

「ええ、恥ずかしながら…わたくし、自慢の肌にも翳りが見え始めて…」

 

なるほど、美容はいつ如何なる時も、女性の悩みのタネか。

確かに、かなりの化粧をしているようだが。

それでも私から見れば、とても経産婦とは思えない美しさだ。

いや、むしろ子供を出産することで得られる、ある種の美しさすら感じさせる。

 

やや切れ長ながらも、エリナやアーシャに引けを取らない、器量の良さ。

やや青みがかった、後ろで纏められた黒髪は、今も尚色艶を失ってはいない。

柔らかそうな双丘も、大いに豊穣を感じさせる。(胸筋不足か、やや垂れてはいるが)

ウェストはしっかり絞れているし、尻は安産型でとても良き。

うん、経産婦…とても良い響きだ。

しかも、飛び切りの美女ときた。

遂ぞ、前世では手が出る事が無かった存在。

ああ、本当のワタシが漏れだしそうだ…

 

 

「そんな事を仰らずとも、妃様は十分にお美しいですよ?」

 

「それでも!日に日に衰えて、行く自らの身体を見ると…とても毎日が苦しくて。正直わたくし猊下にすら、恐れ多くも嫉妬の念を抱いてしまうのです」

 

「そうだったのですね。それは、さぞお辛かった事でしょう。エリナさんが、王宮で肩身を狭くしていたのは、それが原因で?」

 

「ッ!?……はい。あの美しい妾の女と、その娘が羨ましくて…」

 

「良いのです。妃様はたった今、自らの罪を打ち明けました」

 

「無理なのです!あの美しい二人を見ると、嫉妬の念が、抑えられないのです…わたくしは、一体どうしたら神のご加護を賜われるのか…」

 

「分かりました…妃様、私と共に祈りましょう。そうすれば、必ずや神は加護を齎すでしょう」

 

「ああ、猊下…どうか、よろしくお願いします。猊下が共にお祈りくだされば、心強い事この上ございません」

 

ヨシ、とりあえず、一緒に祈るポーズだけでもやっておくか。

残念ながら私の頭は、煩悩にまみれているがな!

バレないように、彼女の顔面に治癒魔法でも掛けておくか。

まずは、本人にしか分からない程度のね。

 

「妃様、私達の祈りはどうやら、神に届いたようです。妃様は神に赦されました」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「ええ。もし可能ならば、お化粧を落とすと良いでしょう」

 

「誰か!誰かいるか!湯浴みをする!すぐに準備するのです!」

 

妃の呼びかけに、侍女達が即座に応じた。

よく調教…ン゛ン゛ッ!

教育されている。

 

「もし、猊下も宜しければ…わたくしと湯浴みはいかがでしょう?当家の浴室は、広い事で有名ですので」

 

「あら、それは嬉しいですね。是非ご一緒させて頂ければ」

 

 

 

その後、ワクワクした王妃と一緒に浴室へ向かった。

浴室は銭湯みたいな広さで感動した。

 

私の裸体を見た王妃は、それはとてつもなく驚いていたなぁ。

もう目ん玉ひん剥いて、ガン見されたわ。

つま先から、私の全身を舐めるようにね。

 

「わ、わたくしも自分の身体には、ある程度の自信はございましたが…猊下は、その…本当に女神様のようなお身体ですね…」

 

アナタの肢体も素敵ですよ♡

 

関係ないが、久しぶりの湯船に浸かったとき

思わず「あ゛あ゛〜」

って一息ついたらビックリされた。

日本人としてのクセは、身体が変わっても治らんもんだな。

 

一方の王妃は、めっちゃ化粧を落としていた。

無事、自身のスッピン姿を鏡で拝めた彼女は、非常に大喜びした。

化粧を落とせば、以前のような肌の色艶が戻っているのだ。

化粧で誤魔化されていたであろう小ジワやシミも、綺麗に消えている筈。

コレを世間の女性陣に知られたら、行列の出来るエステサロンになるに間違いない。

開業したら過労死するだろうから、やらないけど。

ちなみに、初回の顔面施術はサービスだ。

今後の反応次第では、私は撤退する。

流石に王族を相手に、危ない橋を渡りたくはないからね。

 

あん?エリナ?

彼女は良いのだ。

私が、そう判断した。

それに、彼女は調教済みだから問題ない。

ベッドの上では、私の言うがままだ。

今後、どんな変態プレイをしても、私の言う事を聞くに違いなかろう。

 

 

「妃様…神のお赦しが得られたので、貴女には更なる加護を施す事ができます。どうしますか?」

 

「それはまことですか!?」

 

「神に誓いましょう。その代わりに、今後はエリナさんや、そのお母上には優しくしてあげて下さいね。妃様の寛容こそ、神はお求めです」

 

「も、勿論です!」

 

「では妃様、横になって下さい。私自ら妃様へ加護を施しますのでー

 

 

その後の私は、王妃にありがたーい全身マッサージをしてやった。

今回はタダのセクハラだけどね。

しかし、実際に彼女は顔面で、私の治癒魔法を味わった。

プラシーボ効果なのか何か知らんが、凄く納得しながら身体を触らせてくれた。

 

ギリギリの位置を責めるのは、中々に良かったぞ。

腋の下に、太腿の付け根や鼠蹊部は、特に念入りに責めた。

年齢に似つかわしくない、可愛らしい声を出してくれたし。

多分、ビチャビチャやな。

私の下も、ビチャビチャだけど。

お互い入浴したから、それは分からないはず。

 

「猊下、この度は本当にありがとうございました。わたくし、いくら感謝しても足りませんわ」

 

王妃はプリップリとした素肌を晒して、私に何度も感謝している。

うん、やはり美人だ。

 

「とんでもない、妃様の深い信仰のおかげです」

 

「そんな…猊下。堅苦しく言わずに、わたくしの事はネイ、と気軽に呼んで下さいまし」

 

「ではネイ様の方も、私の事も気軽にティアナ、と呼んで下さいね。それと、加護の付与は今回で終わりではありません。次からは、ネイ様の身体奥深くまで、加護を行き渡らせる必要性がありますので。明日以降もお邪魔する事になりますが…よろしいですか?」

 

「!?もちろんですわ!喜んで、お待ちしておりますわ!」

 

今度は施術と称して、逆ソーププレイでもしてやろかな。

 

あ、凹椅子用意しとかないと…

凹椅子DIYするか。

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