王都最終日
宝物殿ダンジョンを踏破してから暫くの後、魔族との和平が成立したのがつい先日。
実はそれまでの間、私達は結構自由に行動していた。
勿論そのフリーな期間を、ダラダラと怠惰に過ごしていたのではないが。
各々が鍛錬をしたり学びを得たりと、割と忙しい日々だった。
アルト君に至っては修練の結果、遂に”致命の斬撃”を習得した。
パリィして致命傷を与えるアレではない、近接職の最上位スキルに数えられるものだ。
これは攻撃対象に一定時間回復不能の大ダメージを与える、凄い斬撃だぞ。
ちなみに打撃武器を装備しても、スキル名は”致命の斬撃”だ。
原理は分からない。
とにかく自己修復したり、回復魔法を多用してくるウザいエネミーには効果覿面だ。
無論、治癒魔法が得意な私にもね。
このスキルを覚えてくれなければ、アルト君は私を乗り越える事はできない。
ゲームでもそうだったからね、安心したよ。
あぁ、アルト君…早く…ふふ…
その凛々しい顔を絶望で歪ませながら、私を手にかけて欲しいなぁ♡
そして致命傷を負った私を…死に行く私を抱きしめて欲しいなぁ♡
私の屍を越えて欲しいなぁ♡
あっ…♡あっ…♡あっ…♡
想像しただけで……逝っ
・
・
・
ふぅ…………おっと、話を戻そうか。
和平成立の報せを受けた私達は、各々が一日の準備を経て魔族領へ向かうこととなった。
有体に言えば王都でのやり残しが無いように、という計らいだ。
それに加えて、つい先日までは敵対していた地域へ向かうのだ。
平素から旅が出来る状態とはいえ、ある程度は心の準備が必要だろう。
結果としてその日の行動は、各自の判断に任せられた。
王都滞在の最終日と聞いて、アーシャはショッピングに行ったらしい。
何を買いに行ったのかは知らない。
年頃の女子だ、たまにはそういった息抜きも大切だろう。
方や、もう一人のヒロインであるエリナは母親に挨拶をした後、アーシャと合流するようだ。
女二人でショッピングとは、何だかブティック巡りをする若者を思い出す。
前世でもありきたりな街角の風景を思い浮かべて、少しだけ感慨深くなった。
しかしながら、何だか前よりも仲が良くなってないか、あの二人。
百合にハッテンしたら、私はその間に挟まるぞ。
仮に百合確定なら、私が介入してぶち壊してやる。
あの二人は私が愛する肉奴隷だ。
勝手なカップリングは断じて許さない。
百合に挟まる聖女(前世男)とか、最高に冒涜的だな。
それはそれでアリかも。
次に、魔族のサティアは市場で一日食べ歩きをするらしい。
私が拵えた料理を食べたサティアは、いつの間にかグルメに目覚めたようだ。
彼女なりに心残りがないよう、王都のメシも食べ納ということか。
しかし、彼女はどんなに食っても太らないな。
その栄養が頭ではなく、乳と尻に蓄えられている証拠だろう。
一方でアルト君については、行き先を詳しくは聞いてはいない。
老婆が営む、寂れた露天に出資しているとは聞いていたが。
あぁ…そう言えば、そんなショップがゲーム内にあったな。
出資する度に、お礼のアイテムをくれるババアだ。
最後まで出資すると、ランダムで超レアなアイテムをくれるんだよな。
ゲーム開始時に合わせて返礼品のテーブルがすでに決まっているから、アイテムの厳選は不可能なんだがね。
ちなみに私がゲームをプレイした時は、”黄金の首輪”というガッカリアイテムしかくれなかったので、それ以降は使っていない。
ストーリー攻略には直接関係ないから、店の存在を忘れていたよ。
私の推測によれば、彼の行き先は女の子がいるエッチなお店だ、メイビー。
道具屋に行くというのは、おそらく方便。
仮に本当に道具屋へ行ったとしても、その後に風俗でエッチな事をするだろう。
また旅に出ればアルト君は女に囲まれ、強制オナ禁週間が始まるのだ。
心の性別が同志たる私は、深くは聞かないでおこうと思う。
アルト君が素人童貞でも、同志たる私は軽蔑しないよ♡
ちなみに私だが…この一日を使って、件の王家御用達の高級酒を入手した。
あの酒は最高に美味い。
前世でも、あのような極上の酒にありつけた事はない。
ショットで二万円を超える、国産プレミア蒸留酒の味を超えていたからな。
最高の名酒を少しでも分けてもらいたい。
そんな一心で王妃に会うため、王宮へ赴いた私は…
“ネイ様、しばらく王都に来れないのでお酒分けてくだちい”
“おかのした”
“ありがとナス、やったぜ。”
また、お酒を貰うついでに、ネイと不倫えっちをした。
魔法で彼女を若返らせて正解だった。
やはり最高の抱き心地だよ、アレは。
「ティアナさん…しばらく会えないの?そう…そうなの……じゃあ、せっかく来たんだら、ね?」
そう言われて、全身を擦り付けられた日には、もう堪らんですわ。
美人の誘惑に耐えかねて、私はネイを襲った。
それはもう情熱的なセッションをしたよ。
おそらくネイと交わるのは、これが最後だしね。
特大のサービスを提供して差し上げよう。
私は彼女に目隠しをして、ネイの耳奥を執拗に舐めた。
更に、耳元でたっぷり愛の言葉を囁く。
不意に「ふぅ〜♡」と耳穴に吐息を優しく吹きかける。
吐息と囁きと耳舐めで、ビクンビクンと悶えている王妃ネイ。
そんな彼女の腹部を…そう、ちょうど生殖器の上にあたる所かな。
そこを優しく撫でてやると、ネイのお腹がキュンキュンと反応した。
ネイが頻りと嬌声を上げながら痙攣しているので、目隠しを外すと彼女は白目を剥いて気を遣っていた。
可愛かった。
もし私にネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲があったらなぁ…
前世と同様に、間違いなく托卵してたところなんだが。
受胎後が面倒だったら、堕胎させれば良いし。
うーん、残念。
まぁいいや。
目的の酒も貰ったし、ネイは放置して行こう。
先の話になるが…アルト君達と今生の別を済ませたら、男性の生殖器でも生やす研究でも始めるかな。
ちょっと難しいかもしれないが、時間は無限にある。
そしたら、新天地にいる若い女を全員堕として妊娠させてやろう。
どうせなら村全体の女性を治癒魔法で、若く美しく改変させても良いかもしれない。
パン屋の店舗予定地に、予備部屋でも新設するかな。
いずれにせよ目的が達せられて、物語から脱落すれば私は晴れて自由。
たまにアルト君達の様子を観察できれば、私としては十分だ。
私の未来は明るい。
夢が広がるなぁ。
今からでも、ToDoリストでも作っておくかね。
あ、ついでにヴァニタちゃんにも、お別れの挨拶(ヴァニタ虐め)をしようと思ったんだが。
現在進行形で、王子専用ペ○スケースとして使用中だったからやめておいた。
アレをソレにブッ刺しながら執務するとか変態やろ、あの第一王子。
傍目には幼いヴァニタが、王子の膝上に乗っている様にしか見えないけどね。
それでいて執務室にやって来た部下には適宜支持を出しているとか、国王の跡継ぎは有能だね。
変態だけど。
部下はヴァニタを見て、微笑ましい表情をしてるし。
ヴァニタは声を我慢してるし。
凄いカオス空間だよ。
あ、部下が退室したタイミングで、ヴァニタが汚ったねぇ喘ぎ声を出し始めた。
エンジョイしてんなぁ、二人とも。
既に排卵してるんだから早くアイツを孕ませろよ、ロリコン変態クソ王子が。
ヴァニタの妊娠出産は問題ないから、心配御無用だぞ。
アイツ、見た目以上に頑丈だから。
何せ、私と同じく邪神由来の成分で構成されているからね。
出産も余裕で耐えられるよ。
大丈夫!大丈夫!
アイツの卵子から、何が生まれるかは知らんけど。
邪神みたいな人外の赤子が産まれたら、許してヒヤシンス♪
そうだ、ヴァニタが出産する際は忘れずに、LIVE中継で見てやらなければ。
早くアイツの尊厳破壊が見たい。
とても楽しみだ。
精神は男なのにママになるとか、ヴァニタちゃんは可哀想でちゅねぇ〜♪
さて、残るはアトラなんだが…こちらはもう堕とすのは不可能だろう。
惜しむらくは、もう少し早く彼女に接触すれば良かったが。
王妃の肢体に夢中になり過ぎたな。
エリナと親子丼したかったが、残念だ。
よし、帰るか。
・
・
・
あとはそう、彼女…アナちゃんの始末をつけた。
始末と言っても、暗殺者家業から足を洗ってもらうだけだが。
という事で、まだ誰も戻って来ていない宿屋にアナちゃんを呼び出した。
「アナさん、お話があります」
「何なりと、お母さん」
「貴女をクビにします」
「え?」
「ですから、その職を辞めてもらいます」
「なぜですか…お母さん。私は何か、お母さんのお気に召さないことをしましたか?」
「そうでは無いのです。母は貴女に、真っ当な職に就いて欲しいのです」
「ッ!そんな…今の私には、コレしかありません…何でもしますから、どうか…どうかお母さんの側に置いて下さい。お願いします」
「なりません。その代わり、貴女には別のお願い事があります」
「お願い…ですか?」
「そう…貴女にしかできない事です。教会本部に赴き、聖女になりなさい」
「えっ…私が…ですか?」
「そうです。そのために貴女の存在を作り変えましょう。ちょっと痛いですけど…もし、それが怖いのなら結構ですが」
「お願いします!怖くなんか無いです!お母さんの役に立てるなら、何でもします!」
「良い心がけです。では、さっそくー
♢
という事で、アナちゃんを放逐しました。
彼女に私の因子を植え付けて。
やり方は、ヴァニタと同じ要領だ。
アイツの場合は、実質的に私の劣化コピーだが。
私が付けた因子の影響か、アナちゃんの容姿は私に近づいた。
頭髪は黄金に輝いているし、瞳は澄んだ蒼色へ変わった。
胸と尻も心なしか、豊かになった気がする。
アナちゃんの名前も、アナスタシアに改名させた。
なんかソレっぽいからね。
一応、教会本部に宛てた紹介状も持たせたし。
悪いようにはならんだろう。
心なしか使命感に満ちた表情をしていたけど、私は関係ない。
もう二度と、彼女と会うことはないだろう。
ティアナは アナスタシアを そとに にがしてあげた!
バイバイ! アナスタシア!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます