ー調査報告書ー
中途報告書
Aの遺族に依頼された『※※市集団傷害致死事件』の調査をここに中途報告する。
・事件の概要
20※※年※※月※※日
事件発生推定時刻 午前2時15分
※※県※※市※※町※※※※ー※※
※※※※※※にて複数名による傷害致死事件が発生。
死者18名
重症者1名
被疑者複数人
被疑者及び被害者は全員30歳未満かつ女性。
事件直後の騒音により駆け付けた、近隣の第一発見者により緊急通報。
第一発見者と、被疑者及び被害者には何らかの人間関係は認められなかった。
警察は重症者のAに対して、重要参考人として退院後に任意の取り調べを行なう。
・Aの取り調べ結果
Aを含めた被疑者及び被害者19名。
事件発生現場に、同日同時間帯に集合。
それぞれが持ち込んだ包丁やナイフ等による傷害が発生。
約半数が傷害により意識不明。
Aは所持していた包丁で、不特定多数を傷害。
またA自身も他被疑者のナイフにより腹部を負傷。
残った半数の被疑者は、自ら持っていた刃物等で自身の首や腹部を突き刺し負傷、意識不明。
Aは救急車到着まで意識あり。
19名が救急車等で病院へ搬送。
搬送先の病院で、Aを除く18名全ての死亡を確認。
死亡した全ての被害者に、傷害行為に対して抵抗した形跡無し。
検死の結果、事件関係者に違法ドラッグを含む薬物接種の疑いあり。
Aは取り調べ最中、複数回に渡って譫言のように男性Sの名前を口にしている。
Aは刑事裁判の結果、責任能力が認められず無罪。
Aは刑事裁判の後、※※メンタルホスピタルへ入院。
同年※※月※※日
加療中の病院から無許可で外出。
※※市※※町の商業ビルから飛び降り死亡。
・重要参考人Sについて
事件発生当時、既に故人。
本件における全ての被疑者及び被害者と交際経験あり。
Sが存命中、Sと過去に交際していた女性の不自然な自殺が相次ぐ。
立て続けの自殺により※※県警察により捜査対象となる。
女性の自殺とSの間には、決定的な因果関係は認められず。
証拠不十分により捜査打ち切り。
※※※※年※※月※※日
※※社勤務Sの無断欠勤が続いた事で、勤務先の上司がSの自宅を訪問。
訪問時Sからの応答がなかったため、上司は未施錠だったドアから部屋を確認。
意識不明のSを発見し、救急通報。
救急車で搬送された結果、搬送先の病院でSの死亡を確認。
発見当時、Sの部屋ではテレビゲームが起動中のまま放置。
Sの手にはゲーム機のコントローラーが握られていたため、おそらくテレビゲームをプレイしていたと思われる。
特に事件性は認められなかったため、警察は事故として処理。
医師によるSの診察結果
死因 不明
おそらく心不全と思われる
ただしSの周囲の人間が言うには、Sは特段の病気は患っていなかったとのこと。
直近の健康診断でも異常は無かった。
中途報告は以上。
引き続き重要参考人Sの身辺調査を行う事にする。
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