風の君臨

　数百の星系の知的生命体をまとめるリゼア連合。その盟主たるリゼア系は「神々の星」と呼ばれるほど特殊な能力をを持つ人々の星系だった。そのリゼア系の第５惑星ミトラの王が急な退位を宣言した。啓示を受けた新たな王を探す新王選定委員会が見つけ出したのは、成人したばかりで外宇宙研修に出ている王族アルシノエだった。
　親友の恋を成就させるべく極秘脱出作戦を決行したり、交易都市に不慮の事故を起こした小型宇宙船が突っ込むという大事故を防いだりと、持ち前の好奇心と母譲りの予知能力で次々解決していくアルシノエだが、予言書に記された「若き4人の王」の一人として「一人も死なせることなく、惑星マティの内乱を収める」という難題にぶつかる。そして彼女の前に立ちふさがる、研修先だったソル系第３惑星（地球）の謎とは。