第8話
試験の翌日、ダイアスと一緒に王都散策をしている。 屋台とかもいっぱいあって賑わっていた。
「王都に詳しい人居ないかな? 腕のいい鍛冶師を知りたいんだけど」
「ん? アルスは武器など必要ないだろう。何か欲しいものでもあるのか?」
「·····まあちょっとな」
やっぱ異世界に来たなら〝刀〟を振りたくなるもんでしょ! あるのか分からんけどな・・・
いい鍛冶師を紹介してもらうために、情報屋に来た俺たちは違和感を覚えた。
ん? ・・・この店員達、裏の人間じゃね? 何人も人殺してるような匂いがするな、魔素の反応的にも当たりだな。 まあ今は別の目的で来てるし気にしない!
「王都で一番の鍛冶師を教えて欲しいんですけど」
「王都一の鍛冶師と言ったらガラッドさんの所だね、簡単な地図を渡すよ」
「ありがとうございます!」
その後店員は小さい紙に、ここからガラッドがやってる武器屋までの簡単な地図を書き始めた。
手にできてるマメの位置を見るに、短剣使いか・・・いかにもって感じだな。
◆ ◆ ◆
「ここがガラッドさんの武器屋か、年季入ってるな〜··········すみませーん! ガラッドさんいますかーー?」
扉を開けて大声を出すアルス、少しすると奥から不機嫌そうなドワーフが出てきた。
「うるせーな! ったく··········お主たち手練だな、どんな武器を買いに来た?」
おいおい、一瞬で見抜くのかい。 叩き出されるのを想像してたけど、案外気に入ってもらえるかな?
「実はですね、刀があったら欲しいんですけど」
刀という単語を出した瞬間、ガラッドの眉がピクっと上がった。
「ほぅ、刀を知ってるのか。 ウチに何本かあるぜ? 坊主、名を聞かせてくれ」
「アルスです、こっちにいるのは従者のダイアス」
俺の紹介でダイアスが軽く会釈すると、ダイアスをじーっと見つめるガラッド。
「··········従者、ねぇ。 少し待ってな」
「ダイアス、あの人鋭すぎないか?」
「鍛冶師として多くの人を見てきたんだろう」
いやいや、それにしても鋭すぎると俺は思うけどな?? 実力がある程度バレるのは予想してたけど、種族までわかるもんかな・・・・
「ほれ、持ってきたぞ。ウチにある刀で最高の2本を持ってきた、どうせ金はあるんだろ?」
「···············はぁ、ガラッドさんに隠し事は出来ないなこりゃ。 なんで俺がダイアスにも刀を買おうとしてること、俺が大金を持ってると分かるんです?」
「勘だな」
「フェアじゃないな〜〜〜! えぇ買いますよ2本とも!!」
不貞腐れながら店を出た俺たちは、買い食いしながら王都を満喫した。
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