第21話
ラビンリスにある3つのダンジョンはそれぞれ特徴がある。 ボス級のモンスターを倒して勝ち進む〝コロシアムダンジョン〟。神秘的な森や遺跡などがある〝ミステリーダンジョン〟。骨系モンスターやグール等が出る〝デスタウンダンジョン〟。
アルス達は〝コロシアムダンジョン〟に来ていて、6回戦目を迎えていた。
「ここのボス達は面白いな、一癖も二癖もある」
「えぇ、ダイアスの言う通りです。腕がなります」
「··········2人が楽しそうでなによりだよ」
ダイアスはまだしもエレノアまで戦闘狂だったのは意外過ぎる・・・
そう思っていたアルスだったが、次に出てきたボスを見て目を見開く。
「2人とも交代だ! こいつは俺一人にやらせてくれ!!」
登場したモンスターはオーガの上位種、オーガジェネラル。 5mを超える巨体だが俊敏な動きもできて厄介な魔物。
アルスは刀を抜いて構える。
「魔物相手に刀を使うの初めてじゃないか? いつも素振りしかしてなかっただろ」
「これは俺のこだわりでもある! 〝鬼は刀で首を切らないと死なない〟らしいからな!!」
2人はアルスがまたおかしな事を言い出したと、特に突っ込まずに戦いを見守る。
「行くぜ! 日の呼吸··········じゃなかった、«天魔一刀流・次元斬り»」
その場で上段から刀を振り下ろした。
その斬撃は空間を切り裂き、オーガジェネラルを真っ二つにした。
「·····そんな技を習得していたのか、相変わらず恐ろしい奴だな。それにしても次元斬りとはなんだ? まあ空間を切り裂くという意味わからんことをしているのは分かったが」
「え、えぇ··········剣術もここまでとは、アルスに欠点はあるのでしょうか?」
「これは、とある闇魔法を使う魔法師団長の技を拝借したものだ。刀を持つならこの技は身に付けないとダメなんだ」
絶対にそんなことは無いと一瞬で理解した2人は、溜息を吐きながらも改めてアルスの強さに惹かれていた。
その後も順調にボスを交代で倒したり一緒に倒して連携を深めたりしていると、明らかに強さの違う魔物が現れた。
「コイツが最終ボスなのか?」
「恐らくそうだな··········デュラハンとリッチの組み合わせは凶悪過ぎるだろ!」
首なし騎士のデュラハンに魔法に長けたリッチが俺たちの前に現れた。 リッチからは凄まじい魔力を感じデュラハンからは戦闘能力の高さを感じる。
「アルス··········デュラハンは俺にやらせて貰えないか?」
「言うと思った·····じゃあデュラハンはダイアスに任せるよ。俺達はリッチの相手をしよう」
「承知しました」
◆ ◆ ◆
おいおい、上級魔法バンバン撃ってくるじゃん。流石はリッチだな〜。次元斬りで切っちまうか?
«ハリケーン»
エレノアが呟くと、竜巻が起こってリッチの魔法も巻き込みエリア全体に暴風が吹き荒れる。
「え、エレノア·····ハリケーンなんて風魔法あったか? 俺は初耳なんだが」
「私が作った魔法ですが?」
流石はハイエルフ様! と心で叫びつつも、リッチの次々に来る魔法を、刀に魔素を纏い真っ二つにしていく。
「リッチ自体の魔力も凄いけど、あの杖が増強させてる感じだな。まずはあの杖を壊すか」
«グラビティ»30%解除 + «魔鎧»
リッチの上級魔法を刀で切ったり〝蹴り飛ばしたり〟、躱したりしながら懐に飛び込んで杖を奪った。
「っし!エレノア、俺がトドメ刺すぞ!! ··········頼む、成功してくれ。素振りの成果を、俺を新たな境地へと!!」
«天魔一刀流・水鏡»
エレノアの声、リッチの魔法の音、ダイアス達の戦闘音、周りの全ての音が遮断され〝無の空間〟にアルスとリッチが入る。
抜刀しながらの一閃。
─────リッチの首を刀で振り抜いた。
「またつまらぬものを斬ってしまった」
「···············」
「··········よし、リッチの首が落ちる前に言えた! ついにこのセリフが言えたぞーーーー!!!」
「···············」
アルスが素振りを極めていたのは、刀を振ってから切れるまで時間を空ける修行だった。 全てはあのセリフを吐くために・・・・エレノアはアルスの技量に驚きながらも少し呆れていた。
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これから色んな技が出てくると思います、全てとは言いませんが大体が〝インスピレーション〟を受けて生まれてます!
ちょこっとだけ厨二クサイ主人公をこれからも見守ってください🙇♂️
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