第22話
ダイアスside
「向こうも始めたみたいだな、俺達も派手にやろうか!!」
「··········」
デュラハンは騎士であるため、鎧を着てロングソードを持っている。 ダイアスは刀を抜刀し同じ土俵に立つ。
「はは! 斬り合いも悪くないな、アルスと練習しといて良かったぜ!」
ダイアスはアルスとの練習を思い出していた。
『刀は剣とは全くの別物。力は全く必要ない、とにかく真っ直ぐ振ることだけを意識すること。じゃないと雑魚相手にも刀は折れる、すげぇ繊細な武器なんだ』。
確かにこうやって騎士と斬り合ってみるとより深く理解するな。気を抜いたら刀がポキッといきそうだぜ・・・繊細さか、今までの俺には無かった感覚だ!
今までのダイアスは力でゴリ押しするのが基本的なスタイルだった。 そこに刀を扱う事で〝器用さ〟が上達していた、新しく更に己を強くしてくれると確信できる技術にダイアスは感動していた。
「この戦いはいつもの様に力で勝っても意味は無い、まだまだ道半ばではあるが技量でお前に勝ってみせる」
身体能力が高い同士の壮絶な斬り合い。
斬撃の余波が地面を抉り、壁を削る。 力ではなく技量の高さ故になせる技、次第に苛烈さを増していきダイアスの斬撃がデュラハンを捉え左腕を切った。
「はぁ、はぁ、はぁ··········こんなに集中したのは久しぶりだ。技量を高めるのも楽では無いな」
いつもとは違う疲労感に満足するダイアス。
デュラハンは片膝をついている、決着の時は近づいていた。
「お? 向こうは終わったみたいだな。こちらも終わらそう」
ダイアスの言葉を受けデュラハンは立ち上がり、片腕ながらもロングソードを構える。
「··········ふっ!」
互いに地面を蹴りだし一気に距離を詰める。
すれ違い様に一閃、勝ったのは・・・・ダイアスだった。
「いい戦いだった、感謝する」
◆ ◆ ◆
「ダイアス、そっちも終わったみたいだな。··········なんか一皮むけたか? 厚みが増してる気がするな」
「えぇ、アルスの言う通り先程より一段強くなられたかと」
「··········そうか、一皮むけたか。前にアルスに言われた、刀を振るには技量っていうのを意識しながらデュラハンと戦った。 そのお陰で壁を越えたようだな」
ダイアスの清々しい顔を見てアルスとエレノアは頬を緩めた。仲間が大きな事を成し遂げるのは嬉しいものである。
「そんじゃ、宝箱開けて帰るか!」
「今までボス達を倒しても一向に出てきませんでしたから、きっとかなりの物が入ってるかと」
「やっぱエレノアもそう思う? 実は俺もかなり期待してるんだよね〜」
期待がMAXの状態で宝箱を開けると、中には小さな瓶が3つ入っていた。
「ッ!?!?··········こ、これって、まさか、あれだったり、するのか?」
「·····ま、間違いなく、エリクサー、かと」
腕や足を失っても再生し、どんな病気も治すと言われているエリクサー。金で買えない代物である。
「1人1本持つぞ、これは決定だ」
「「ッ·····」」
いくら仲間とはいえ流石にエリクサーは受け取れない! という前にアルスに先手を打たれた2人は、自分達を大切に思ってくれるアルスに感謝しつつ受け取った。
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