第51話


「なぁ、やっぱり俺達は歓迎されてないっぽいな··········」


「これがエルフの秘技でもある結界魔法か、確かに正攻法では通れなさそうだな」


『アルスが結界壊しちゃえばいいじゃん』


クマラ、最近どうも脳筋発言が増えてきた気がするが気のせいか? お前はそのまま癒しの存在でいてくれ!!



「お前達、止まれ! ここから先はエルフの里だ、人間が立ち入っていい場所では無い!!」


うわ〜しかも閉鎖的なタイプの里じゃん。

不安が着実に重なっていくわ〜・・・


数人に囲まれながら弓を構えられる。争う気は無いと両手を上げて無害アピールするが、エルフ達は一向に弓を下ろさない。



「一緒にいる方、は···············え、エレノア様」


「「「エレノア様だと!?」」」


「そうだ、父にエレノアが帰ってきたと伝言を頼みたい。それにアルス、こちらのヒト族は私の命の恩人であり、今は一緒に旅をしている仲間だ」


「しかし人間を里に入れていいのか?」

「俺がこの里にいる間は聞いたことないが·····」

「私達が判断することでは無いだろう」


「私が伝言を伝えて参ります。お前らは監視を頼む」


一応客人であるアルス達に堂々と監視と言ったエルフに、呆れ気味のアルス。




「··········エレノア様とそちらの龍人族、それと妖狐は里へ入る許可が降りましたが··········人間は許可しないそうです」


「ッ!?··········それは、誰の、指示だ?」


うわ、こんなに怒ってるエレノア久しぶりに見たわ〜。 美人って怒るとマジで怖いからな・・・おれは黙っとこーっと。


「エレノア様の祖父様です」


「っ·····お爺様が、そうですか。 それでは私もここには用がなくなりました」


「「「「え?」」」」


エルフ達だけでなくアルスまでも声を揃えて驚く。


「え、エレノア、せっかく故郷に帰ってきたんだから挨拶して来いよ、俺はここで待ってるからさ?」


「アルスが入らないなら私も入りません、ダイアス達だってそうでしょう?」


「当たり前だ」


『もちろんだよ!』



アルスはエレノアに里に入って欲しい、エレノア達はアルスが居ないなら里には入らないという不毛な議論が発生し、里の近くで野営をする謎の状況が出来てから数日後、アルスも里に入る許可が出た。




◆ ◆ ◆




う〜ん、やっぱ俺だけ向けられる視線が良くない気がすんな・・・


「私も外の世界を知ったからでしょうか、こういうのを知ると悲しいですね。故郷だと余計に··········確かに全ての人間が善良とは言いませんが、アルスと話してからでも遅くないというのに」


エレノアはアルスと出会う前から外の世界に触れ、様々な出会いや経験をしてきた。その中でアルスと出会えたエレノアにとって、アルスはヒト族の中でも稀に見る感性の持ち主だと分かっていた。



里に入ってエルフ達にジロジロ見られながら奥に進むと、2人のハイエルフが待っていた。


「·····父上、母上··········」


やっぱあの二人が両親か・・・エレノアが生まれるわけだよな〜、すげえ美男美女だし2人がそこにいるだけで絵になる。


「·····エレノア、よく帰ってきたな」


「まずはちゃんと話してきなよ、俺達は待ってるからさ」



エレノアを両親の元へ送り出し、アルス達は里の散策をしようとするが・・・それを良しとしない者達がいた。





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



新作連載開始!!


同じ異世界転生ものですが、今作とはだいぶ方向が違う作品となってますので是非!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

辺境男爵家の次男に転生した俺〜前世は何もかも上手くいかなかったから、今世は自力チートで異世界を謳歌する〜 ムンク @0134

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ