第5話
俺に妹と弟ができた。
実は第二夫人のクレア母さんも妊娠してて、待望の第一子の男の子が生まれた。
俺の母さんは長女を産んだ。
妹はリーシャ、弟はマイクと名付けられた。
2人と初対面を果たした俺は鼻血を流して倒れた、あまりにも可愛すぎたためだ。
「ち、父上! あの可愛い生き物たちはなんですか!? 俺はあの可愛さに耐えられそうにありません!!」
「落ち着け··········ジークやアルスの時も同じくらい可愛かったぞ」
「ジーク兄様はともかく、僕と比べてはなりません! バチが当たります!!」
執務室での口論を使用人達に冷めた目で見られてるのに全く気づかないアルス達、俺(シスブラコン)と父さん(親バカ)の論争は2時間にも及んだ。
因みにリーシャとマイクが綺麗な空気を吸えるように、魔素を使って空気を綺麗にする«清潔»を習得した。
空気中にある汚染物質を浄化するイメージで作った、宗教国家があったら断罪されそうだが実在しないため問題ない。
◆ ◆ ◆
死の森にはエリアごとに明確な難易度設定がされている。比較的弱い魔物がエリア1、そこからエリア5までランクが別れてる。
俺もやっとエリア3までこれるようになったか・・・5歳から狩りを続けてもうすぐ4年、このペースが早いかは分からんがここの魔物はやっぱ手強いよな〜。
「ん? あれはポイズンスパイダーか·····しかも巣作ってんじゃん!!」
エリア2後半~3に生息する大型の蜘蛛、皮膚に毒があってはく糸には食らうと即死する毒量を持っている。
«魔槍» × 50
ポイズンスパイダーの巣へ〝前後左右〟からぶち込みまくる。
魔素の干渉範囲が半径100mになった今は、手から発射するだけでなく範囲内なら〝どこからでも〟«魔弾»や«魔槍»を発射できる。
目の前には穴だらけのポイズンスパイダーの死体が大量にある。
「··········魔素の干渉範囲内のどこからでも攻撃できるって、流石にチート過ぎるよな〜。遠距離攻撃はもう心配ないと思うけど、近接戦闘が今ひとつなんだよな··········«魔鎧»があるとはいえ、体自体を鍛えるいい方法がないもんかね」
今後の課題について考えながら次々と魔物を倒していく、しばらく歩くと巨木が目の前に現れた。
「でっっっか!! 死の森にこんな大きい木あったのか、でも死の森についての資料に載ってなかったよな?」
報告のために巨木の周りを1周して調べてると、根元に小さな入口らしきものを見つけた。
「··········これ入っていいやつかな? どっちにしろ、報告しなきゃいけないし入っちまうか」
意を決して入口に飛び込むと、石造りの大きな部屋に出た。 その奥に立っている人? がゆっくりと目を開いた。
「まさか人間風情がここに迷い込んでくるとはな、運の無いやつよ。 潔く死んでいくがいい」
開いた口から鋭い歯が見えた。
人ではなくヴァンパイアだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます