第24話
休日を満喫したアルス達は、冒険者ギルドを訪れていた。
「お、最強パーティが来たぞ?」
「アルスおはよー!」
「今日もゆっくり起きたのかー?羨ましいもんだぜ!!」
「もうあの殺気はやめてくれよー!」
「危うくチビっちまう所だったぜ」
「俺はちゃんとチビったぞ?」
「「「「「がはははははは!!」」」」」
コロシアムダンジョンを攻略したことで一気に有名になったアルス達は、よく声をかけられるようになった。 それはギルド内でも同じである。
「なんでわざわざギルドに来たんだ?」
「次は〝デスタウンダンジョン〟に潜るつもりだけど、それ関連の依頼とかあったら受けようと思ってな」
「なるほど、正に一石二鳥ですね」
ちゃんと依頼受けないと印象悪くなるからな〜・・・・ん、これとか良いんじゃないか?
アルスが選んだ依頼はアンデットドラゴンの素材採取、つまりは骨だ。 依頼主は昨日魔道具を買ったお店に、品を卸してる錬金術師、名をマリエルと言うらしい。
アンデットドラゴンという存在にも興味を持ったが、あれだけ高クオリティの魔道具を作れる人物も気になっていた。
「ありゃ、この依頼Bランク以上じゃないと受け「問題ありません」ッ!?」
近くにいた受付嬢に急に話しかけられビックリしたアルス。
「マスターから、アルス様にはどんな依頼も受けさせるようにと言われていますので」
「いや〜俺達だけ特別扱いって、色々と不味くないか?」
チラッと周りの冒険者達を見ると、『問題ない、行ってこい!』と言わんばかりの顔をして親指を立てていた。
「あはは、それじゃ受けましょうかね」
◆ ◆ ◆
〝デスタウンダンジョン〟は全70階層もあり、1層事に街並みが変わる。 とは言ってもかなり廃れていてボロボロの街しか出てこない。
アルス達は30階層に来ていた。
「街並みが変わるとは言え··········出てくる魔物も変わらないし微妙だな、流石は不人気なダンジョンだわ〜」
「アンデットドラゴンは50〜出てくるのだったか? 依頼を達成したら地上に戻るのも有りだと思うが」
「アルスが3つのダンジョン攻略を掲げていないのであれば、私は特に反対はしません」
「··········別に完全攻略とか目指してないし、達成したら地上に帰るか」
とっとと依頼達成する事に方向転換したアルス達は、先程までより数段攻略スピードを上げた。
「あーーー魔物が多すぎるーー!!!」
倒しても倒しても地面から出てくる魔物にストレスが溜まり続けるアルス達。
「··········あれをやってみるか、2人とも下がっていてくれ」
2人を下がらせ、地面に魔素を浸透させていく。
«アースインパクト»
魔素が地面を割り、大きい瓦礫を作って上空に上げていく。 上空で更に大きい球体へと変貌を遂げた。
«グラビティ»
作り出した〝隕石〟が自由落下する力に加え«グラビティ»で負荷をかけて更に落下速度を上げた。
「··········自分でやっといてあれだけど、これは地上で使ったらダメなやつだな」
アルスの前には超巨大なクレーターが出来上がっていた。つまりダンジョン内とはいえ、街を壊滅させることが出来る技ということ。
「俺からすれば次元斬りも地上では使えないと思うがな、あれは山すらも切れるだろう」
た、確かに・・・地上で使ったら魔王とか呼ばれるようになって勇者召喚されるかもしれん! 絶対ダンジョン内でしか使わん!! この技名、地爆天星にしたかったけど流石に不味いよな〜。
アルスが街(ダンジョン内)を壊滅させてる様子を見る一行がいた。 前にアルスに絡みボコボコにされた者たちと、殺気を向けられチビったもの達だった。
「あ、ああああれはなんだ!!??」
「··········ダンジョン内で奇襲をかければいけると思っていたが、」
「ど、どうやら、俺達は手を出しては行けない存在だった、な」
「〜〜〜〜〜!、クソが!!!」
目の前の怪物に恐怖し、諦めた者や怒りをぶつける者、反応はそれぞれだった。
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