第18話
連続投稿なので前話読んでない方はご注意を
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「お姉さん、本当に2人じゃダメなんですか?」
「·····は、はい。規則ですので」
声をかけた冒険者達など見向きもせず話を続けるアルスに困惑する受付嬢。
「おい、無視してんじゃねえよ! まだ俺達が話してんだろうが」
「は? 元々こちらの受付嬢と話してた所にあんたらが割って入ってきたんだろうが、それで一緒にダンジョンに入る誘いを俺は断った、これで話は終わったんだよ。 てめえらの都合だけで勝手に話を続けるなよ鬱陶しい」
さっきまでと全く違うアルスの態度に驚く受付嬢。
アルスはまだ13歳で成人もしてない子供、自分と話してた時は可愛らしさしか無かったのに、先輩冒険者には輩とも思える態度を示したことに唖然としていた。
「ッ!·····てめえ、ぶっ潰す」
「まあ待てよ、ギルド内では私闘禁止だろ? 今説明を受けたばかりで破るのは良くないからな、訓練場に移動しようぜ」
「··········お前はトラブルに愛されてるな、まあ好きにしろ」
ダイアスは盛大にため息を吐きながら言った。
「はっ! 嘗められたもんだぜ、俺達が勝ったらその武器2本とも貰うぜ?」
と言いながら男は俺達の腰にある刀に指を指した。
「俺はお前達の冒険者資格の剥奪だな、別に永久追放じゃない。またFランクからやれば良いだけのことだ、因みに俺は1人でやるからお前らは全員でかかってこいよ」
俺の言葉に沸点を振り切った男達は、顔を真っ赤にして青筋を大量に浮かべていた。
うーん、登録する時に魔法使いで登録してるからな〜、«魔弾»だけで倒すか・・・あ! 良いこと思いついた、新技にもなるし遊ぶか。
「へへ、二度と外を歩けない体にしてやるよ」
等と三下達がほざいている中、アルスは新技を成功させるために集中する。
「相手を死に追いやる攻撃は厳禁です、破った場合は追放となります。··········それでは、始め!!」
開始直後に自分と輩達をドーム型の«魔障壁»を形成し囲った。更にその中に50個の«魔弾»を形成し疎らに撃ちまくる。
«魔障壁»内では«魔弾»が〝跳ね返る〟ように設定している、もちろんアルスにも当たる可能性があるが持ち前の身体能力で躱していく。
5人組は最初こそ対処出来てたものの、徐々に不規則になる«魔弾»の攻撃に当たり始める。
うははは! これ超楽しい、今度ダイアスにもやらせよう。 «魔弾»の数を増やせば一対多数の訓練にもなる!
アルスは相手の事などとっくに忘れていて、1人で〝ゲーム〟を楽しんでいた。
「そ、そこまで!!」
ギルド職員の声で我に返り状況を確認すると、ボロボロの5人組が横たわっていた。 «魔弾»もそこまで威力が出ないように放ったため、輩達の無事を祈るしか無かった。
「あっちゃー、やりすぎたか?」
暇潰しに観戦していた人達は、アルスが使った技に理解出来ずにいたのと、1人が5人をボコボコにしたのを信じられなかった。
5人組の冒険者は、この街では有名な期待の若手で全員Dランク。そんな5人を一方的にボコしたアルスの桁外れな実力に騒然としていた。
「じゃ、5人の資格剥奪お願いしますね!」
当人のアルスは、一緒にいたイケメンとギルドを出て行った。
◆ ◆ ◆
まあここに来るしか無いよな〜。
ギルドを出た俺達は、奴隷商を訪れていた。 アルスは特殊な技を使って戦うため、安易に人に話せない事が多い。 そうなると奴隷を選ぶしか無かった。
「申し訳ありませんがお客様、こちらは奴隷商となっておりまして、ッ!?」
店の前で止められることは分かってたアルスは、店の前に立つ男に白金貨を数枚見せ黙らせる。
「先程はうちの者が大変失礼致しました。本日はどのような奴隷をお求めで?」
「戦闘奴隷を買いたい。この店で一番強い奴隷を連れてきてくれ」
「えぇ、そう仰ると思いまして、既に待機させております。入って来なさい」
へぇ〜、俺みたいな見た目でも一切侮らずに、しかも最高の奴隷を買うと見抜くとかやり手だな! さあどんな奴隷を・・・・・転生者は奴隷を買うとこの種族って決まってるのか!?
「こちらはハイエルフのエレノアという者です」
「しかもハイエルフかい!!」
「しかも?」
「あ、いやなんでもない。ハイエルフって確か地位がすごく高いよな? 面倒に巻き込まれるのはごめんなんだが」
エルフからしたら神みたいに崇められる存在って聞いたが・・・・そんな存在を奴隷として連れ回してたら全エルフから恨まれるわ!
「それについては全く問題ございません、この店にかけて保証致します。詳しくはエレノア本人から聞いた方がよろしいかと」
「···············分かった、買おう。それと奴隷紋は目立たないところに頼む、契約内容は俺とダイアスに危害を加えないのと、秘密を他に漏らさない。以上だ」
奴隷契約を済ませ、エレノアを連れて店を出た。
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