外見は何の変哲もない、中学校の男性教師、近藤。だが彼は突然、突拍子もないことをしでかす。その真意がどこにあるのか、だれにもわからない…。予測もつかない近藤先生に、周囲は唖然呆然愕然。それを淡々と、どこかとぼけた調子で語る文体とのギャップがまたおもしろい。こんな先生、実在したら…担任はちょっとご勘弁いただきたいが、遠巻きにして見てみたい先生ではある。たぶん学校生活を、退屈することのない、色鮮やかすぎる思い出にしてくれるだろう…。身近にいると、ちょっとシンドイかもしれないけど(笑)。
とにかく、人の利益で動く人格ではありません。教師にふさわしいのか別として、今の時代には、こんな先生が必要かも?忖 度? しな~い。人の目? 気にしな~い。 人のため? やりたくな~い。生徒のため? そんなの知らな~い。世界が全て、教師近藤なら戦争は起きないかも知れませんが、必ず滅亡します。皆さん、その目で確かめてください。
中学校の教師、近藤先生と生徒の日常をギャグコメディーで描いたシリーズ小説。ギャグはただ面白いだけでなく、ちょっと不思議でありながらも分かりやすいです。先生にしては遊び心のある男性で、生徒に引かれちゃうくらい変なことを起こしてしまう。そんなつかみどころのない近藤先生が、次は何をして暴れているのか、続きが気になって読む手が止まりませんでした。文章も丁寧で読みやすく、過多な修飾もされておらずさくさく読み進めることが出来ました。柿井優喜さんが描く、想像の斜め上を行く学園ギャグコメディーをご堪能ください。
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