おかしなおかしな教師近藤

柿井優嬉

プロローグ

 むかしむかしあるところに、ではなく、現代のある中学校に、教師をしている近藤という男がいました。

 彼は、年齢は四十代の半ばくらいで、横で分けてきっちり整えられた髪に、おしゃれなポイントが一つもない地味なメガネ、そして模様は一切なく、抑えた色合いのネクタイとスーツ姿の、昔ながらの典型的な日本のサラリーマン、もっと言うなら、メガネのフレームだけで実際の目は描かれずに省略されてしまっている、漫画の脇役のさらに脇にいるキャラクターといった、すこぶる薄い印象の容姿です。

 しかし、それとは対極を成すと表現できるほど、言動はハチャメチャなのです。

 彼のハチャメチャぶりがどのようなものか、この教師近藤の風変わりな日々を、これから紹介いたします。

 それでは、とくとご覧ください。

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