教師近藤とさりげない自己アピール
近藤は自らのことを言うとき、これまでご覧いただいてきたように、「私」という言葉を基本的に使います。
「近藤」と名字を用いる場合もあり、それは世の中の多くの人も当てはまるでしょうけれども、彼の使用の仕方にはある特徴が存在します。
例えば次のような場面で、必ず「私」ではなく名字のほうを使うのです。
「俺、賛成」
「私も」
「僕も」
「近藤も」
目立つ必要がなかったり、自分を出すべきではないといった、「私」や「僕」などが適しているときにかぎってそうするのであり、文字にするとふざけているふうに見えますが、その際、この上なく真面目な顔をしているのに加え、口にするタイミングや声のトーンが絶妙なので、不謹慎というような受けとめられ方をされることはまずありません。
ただ、自分を常に下の名前で呼ぶ女子中高生っぽさも相まって、その場にいる他の人たちは違和感から心地悪さを抱くことになり、たとえ大いに盛り上がった状況でも、一気にどんよりとした雰囲気に変えてしまうほどの威力をそれは持っているのでした。
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