〜43話 甘い誘惑?〜
「ーーーっと、以上が現在わかっている新生魔王軍「ゲリラ魔王軍」についてわかっている情報です」
長い話を終えて、帝国の役人がそう告げるとユウナたちが頷いたので終わったのだろう。
話をまとめると、予想通り亜人地区やエルフ国を含む大陸にある国家全てが新生魔王軍から
魔王領は国交を結んでいる国がないので状況は把握できないこと。
敵の予想戦力は旧魔王軍の残党で上級魔族がいること。
各地で迷宮からの瘴気や魔物が
ーーーーとかなり状況は悪いようだった。
それにしても亜人地区やエルフ国がどうなっているか知っている教国の情報網は怖いな。
「それで迷宮の鎮圧はできそうか?」
「はい、各国の騎士団や冒険者が率先して行なっているのですが‥‥連合王国を除いて
「連合王国を除いて?」
ヨハネの四騎士と呼ばれている男が疑問を投げかける。
「はい、どうやら冒険者側に凄腕の者がいるようでーーー現在、調査していますがおそらく敵側のスパイの線は薄いと思います」
「ほう」
あ、今目輝かせたなこの人。
どうして俺が会う教国関係者には血の気が多い人が一定数いるのだろう。
「ーー魔法師団の中で私の部下から何人か各地に向かわせるわ」
「なんと!それはありがたい話です」
「騎士団からも検討するように申請しておくが、神門会はどうだ?」
「えぇっと‥‥私は一介の構成員ですのでーーーそれに私が申請するより‥‥‥‥」
ユウナが申し訳なさそうにこちらを見た。
そういうことか。
「じゃあ俺から申請しておく‥‥教国宛てでいいか?」
「はい、お手数ですがお願いします」
「ーーーーでは今日はこれで終了ですな」
リーダー格の貴族が俺の発言を聞いてから頷くと全員に伝えた。
「では私はこれで」
ユウナが席を立って外へ出ると数人がそれについて行く。おそらく神門会だろう。
「ーーじゃあ」
「エルア様」
シアとティアを呼ぼうと思い、立つとカトレアに引き止められる。
「少しお二人に話があるのですが」
「ーーー話?」
「はいーーーエルフ国についてです」
まだ若干の差別意識が残る帝国側に聴かれないように、カトレアは耳打ちしてくる。
「どのくらいかかるんだ?」
「30分ほど」
ーーティアの方を見ると聞こえているのか剣を触りながら頷く。
一応、ティアはエルフ国の騎士らしいので非常時は大丈夫だろう。
「ーーーーーわかった」
信用していないわけではないが、保険だ。
シアを実質的に1人にさせてしまうと心配になるのは俺が過保護だからだろうか?
いや、好きな人を危なそうな組織と一緒にさせて心配にならない男はいないだろう。
一緒に着いていけばいいと思うかもしれないが、エルフ国のことだ‥‥シアたちが帰るなら俺は止めないーーーーーーーと思う。
「ありがとうございます」
「何を話しているんです?」
ティアと違い話の内容が聞こえなかったのか、シアは「不倫ですか?」と言いながらジト目で見てくる。
「カトレアがシアとティアに話があるようで‥‥国のことだ」
「国ですかーーーーなるほど」
貴族たちに聞かれないようにはぐらかしたが、どうやら意味が伝わったらしい。シアは天才である。
「カトレアは一応、信用できると思うから大丈夫だーーーーティアにも剣を持たせおくし」
「ーーー心配なら私の杖預けましょうか?と言いますか信用なさすぎでは?」
カトレアは悲しむように言うが、自国の騎士団に対して出会い頭に杖を向ける人だ。
ちょっと危険因子だと思われても仕方ないと思う。
「た、多分大丈夫だ!」
「ーーエルアがそういうならわかりました、信頼してるんですね」
あれ、選択ミスった?
「私もシア様を守りますのでご安心を」
うん、おそらく大丈夫だろう。
フラグじゃないよね?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
シアとティアがカトレアと共に部屋を出た後、俺はなぜか帝国側の人ではなく、魔法師団員と思われる人に案内されて、もしかしたら長期滞在するかもしれない部屋に来た。
「ではお部屋はこちらとなりますーー一応、近くの部屋は全て教国関係者とさせていただきましたので何かあれば言ってください」
「あぁ、ありがとう」
「いえいえ!勿体無いお言葉です」
やっぱり教国って神門会でなくとも、勇者を信仰しているのだろうか?
距離を置かれているようで、むず痒い。
それはそれとして、外から見てもわかる大きめの部屋に入った。
ーーーーが、部屋に入り最初に目についたのは帝国式の部屋ではなく、はたまた豪華な大理石で出来た部屋でもなくーーーー
「♡ーーー勇者様、お待ちしておりました」
そんなわざとらしい甘い声で「勇者様」と呼んでくる謎の女の子だったーーーーー
―――――――――――――――――
Q よければコメントお願いします
A まさかシアとティアとは別行動?!これ絶対別の子垂らすじゃん
Q そんなこと‥‥‥‥ないわけないのかもしれない
A ()
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