〜第12話 お約束〜
「吸血鬼討伐ですか?」
夕食の後部屋に戻った俺とシアは明日の依頼について話していた
「ーーあぁ、サキに指名依頼されてな近くの町跡地で確認されたらしいんだ」
「吸血鬼...お母様からは200年前に討伐されたと子供の時に聞いたのですが...」
「200年前?」
「はい、エルフの魔法師が討伐したと」
「.....人間側の情報だと400年前に
「そ、そうでしたか、もしかしたら嘘かもしれません」
「ーーーいや、人間からしたら200年前なんて誰も知らないがエルフからしたら知っている者は沢山いる、それにエルフの魔法師なら人間に情報が伝わっていない場合もあるし」
もしその時討伐されたのが魔王軍元最高幹部ならエルフの魔法師強くない?
「もしその時に討伐されていたのなら...死霊魔法が関わっているかもしれない」
「死霊魔法ですか?」
「死者を復活させる禁術だな、始祖魔法を使える吸血鬼は前最高幹部だけだったから死霊魔法が関わっている可能性が高い」
死者を蘇生させる魔法は教国では神への
「死者蘇生ですか...術者は人間か魔族でしょうか?」
「正確にはわからないが魔族ではないだろうな、元最高幹部といえど操るのは恐れ多いだろうし」
ただ魔族にとっての200年は人間に近い価値観を持っている
そのため吸血鬼の存在なんて知らなくて面白半分で操っている可能性もある
それにしても200年前か...前に転生した時にエルフ...ハイエルフの奴隷を助けた気がするのだが元気にしているのだろうか
「その吸血鬼は始祖魔法というのを扱うんですよね?」
「そうだな、2000年前に主流になった魔法ではあるが人間は500年前に失われた魔法として扱っているな」
「その...エルフの中でもハイエルフの方が始祖魔法を使っているところを見たことがありまして」
「....」
「その時の大魔法で国が一つ滅んでいまして...そのエルアがとても強いのはわかるんですが...もしものことを考えると.....」
そうシアは言うと顔を俯かせた
自分では気づかなかったが、俺はもうシアにとって大切な存在になっているのだろうか?
前に女神が共通の時間をたくさん共有すると恋に落ちるものだと言っていたがその通りなのだろうか?
「大丈夫だ、絶対に無事で依頼を達成するから」
どちらにしろ俺はシアを
「....はい....あと...その、私はまだ聖霊魔法を完璧には扱えないので
「それは...」
いくら途中といえど危険だ、それに万が一俺が負けた時にシアの方に行かれると困る
「お願いします...身の程知らずとは思いますが....大切な人が危険な場所に行くのに...私だけが行かないのは嫌なんです」
「ーーーそ、そうか」
大切な人か...ニュアンスが違う気がするが好きな人と同じなのだろうか?
「そ、それじゃあこちらこそ...お願いします」
「はい」
前々から思っていたのだがシアはどうしても人間に対して
それにしても大切な人か...美少女から他人から大切な人と、思われる様になるのは嬉しすぎるんだが?
それに先ほどから、ベットの上に座り込んでこちらを見つめてくるシアには
いや、正確にいうと庇護欲だけじゃないのだが....
「では...寝ましょうか」
ーーーやっぱり一緒に寝るんですか、シアさん
「そ、そうだね」
庇護欲ともう一つの親知らずな欲を抑え込みながら、もしものことを考えてしまった
もしも万が一にでも起こってしまったら......翌日にサキがニヤニヤしながら
「イヤ〜、結婚式はカスタリア領でやるんですかね、勇者サン?大丈夫ですぜ、ちゃんと日本式の着物か洋式のウェディングドレスを用意してますんで!!」
と言ってきそうだ
ふざけるな、まだ早いとかそういう道徳的な話をしているわけではない
俺はエルフ式を期待しているんだ、エルフはこの世界でも森にいる聖霊の加護を受けている者、世界樹の装飾や聖霊が作り上げた最高品で結婚式を行うのだ
その際のシアを俺は見てみたい、絶対可愛いやん
かと言ってここでシた後にエルフ領に行くまで結婚式はお預けなど
俺は別の場所で寝る!!は提案してきったシアに失礼であるためここで取る方法は一つ!
手を頭に乗せて覚悟を決めた
さよなら、ここでのイチャラブ未来ーーーうっ、
「ーーOh Gott, verurteile das sündige Lammーー{
この前かけた魔法だと夜中に起きることがわかった、そして起きた後の隣にいるシアを見て
「え、エルア?!」
いきなり魔法を発動した俺を見て驚いたのか走り寄ってくるシアを見て意識は途切れたのだったーーー
―――――――――――――――――
Q ヘタレ勇者...
A このヘタレがっ!!
Q これは神門裁判かけられても文句言えないですね
A ーーーーなんで?
a 今日はもう一話投稿する予定です
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます