〜第5話 主人公、永眠す〜

あの後、俺とシアは隣町まで移動してそこの宿に泊まっていた

そこで問題が一つ


「ーーーーしないんですか?」

「ーーーっ」


上目遣いでそう聞いてくるシア、やべぇ...死ぬ(社会的に)

ただの寝巻きなのにどうしてこんなに込み上げてくるものがあるのだろう、


「な、なんでこうなった...」

そう思わず口にしてしまう


「お、お母様が...殿方と泊まる時はこうしなさいって」

ちょ、娘さんになんてこと教えているんですか!!顔も知らないけど!


「多分それは...エルフを想定して教えているんだと...」


流石に人間に対してするとは思っていないだろうし、するのならシアの両親の許可をもらいたい


「...私成人してますよ、ですのでいちいち親の許可は要らないのです」


ここで何歳ですか?と無神経なことを聞くのは三流である

あれ?成人しているのなら大丈夫じゃないか?

何をこんなにヘタレているんだ!


「ーーーちょっと頭を冷やしてきますので...先に寝ていてください」

「いつでも待ってますので」

無理です、はい...前世と合わせて36歳=彼女いない歴


プロポーズはできても同衾どうきんはできないのか!勇者ぁぁあ!!


うるせぇ!ボッチをめるな!



「ふぅ...」

夜風に当たると冷えるな....


「これで女神がいなかったら最高なんだけどなぁ」

「呼びました?」


いつのまにか隣にいる女神

「呼んでないです」

「うっ、エルアを心配してきたと言うのに...」


さすが女神というべきか...容姿は良い....容姿はね

「まぁなぐさめに来たんだろうけど、心配しないで良いって...それよりそっちこそ文句を言うのかと...」

「勇者の責務ですか?そんなの人間が決めたことですし、エルアぁぁぁあ!!」


っといきなり叫び出し、倒れ込んでしまった

「ど、どうした?」

「ね、寝巻きのエルアかっこいい!」


「.....」


なんだろう急に冷めた気がする。

元々は清楚淑女たぶんだったのにどうしてこんな変態になったのだろう...


「もう寝るんで...心配してありがとうな、」

「ーーAh, spiritus, benedic hoc magnum eluaーー(精霊之愛)」


「ーー?」

「愛情表現です」

「そ、そうか...」

「はい...ではーー」


意味深気味いみしんぎみつぶやいて女神はまばたきの合間に消えてしまった



「良い夜をって...なんだよ」


そう思い、部屋に戻って扉を開けた


「あっ!ちょ、ちょっと今着替えていましてーー」


ーーどうやら着替えている途中だったらしい、扇状的せんじょうてきな光景が見えて何かが込み上げるのを感じ


「ーーーAh immundo cordi, Deus, da poenam divinamーーー{永眠}」


そう神位魔法を発動して強制的に気絶したのだったーーーー



―――――――――――――――――


Q 永...眠?


A 主人公が登場するのは五話までですね


Q それ主人公って言わなくない?


A 確かにです


※ 次回もちゃんと主人公は登場します

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