〜第41話 圧倒的な上下関係〜

ーーーあれからシアとティア、そしてユウナと謎の人と共に帝国首都の城へと来ていた。



「ーーすごいですね!前のサキさんのお城とは違う豪華ごうかさです!」


シアが珍しいのか目を輝かせている。うん可愛い。


「こう見るとサキの城はでかいんだよな」


そういえば、王侯貴族とはいえ皇城と同格レベルの城を作っているって政治的にそうなのだろうか?

まぁ、サキのことだしなんとかしてそうだ。うん。


「やはりエルフの王城とは全く違うのですね」


「‥‥聞いていいか?」


「はい、エルフの王城は初代王から受け継いできた大樹がお城となっているのですーーーーつまり自然のお城ですね」


「聞いたことあるな」


あくまで地球で聞いたのだが。


「ここも広いですが、教国にある大聖堂もかなり広いですよーー!」


「大聖堂ーーー聖女がいるところか?」


「はい、現在は」


「現在は新たに任命された聖女が居ますね」


ユウナが言い終わる前に謎の美少女がさえぎって宣伝して来た。


「ちょっと!今、私が説明してたでしょ!!」


ガルル、と威嚇いかくし始めるユウナ。


「ーーー勇者様、談話室だんわしつでは帝国の重臣たちも居ますが教国の幹部もお大勢いますので、どうぞ遠慮えんりょなく発言してください」


「あぁ」


と言っても俺は教国の兵力や外交状態に詳しくはないからあまり発言しないほうがいいのだろう。


「それと‥‥‥シア様たちも一緒に来ますか?」


「ーーーその、魔族からの発言を聞くとエルフ国も例外ではないんだよね?」


「おそらく‥‥私の考えとしては最悪の状態を想定して、亜人地区を含むエルフ国も視野に入れて話すつもりです」


「じゃあ私もエルアに着いて行く」


そう言いながらシアは腕に抱きついてくる。

こう思うとキモがられるが、花の香りがする。


「では私も‥‥‥」


ティアは一応、エルフ国の騎士でもあったので気になるのだろう。


「了解しましたーーーでは入りましょう」


ユウナにうながされて部屋に入ると、かなりの人たちが座っていたが何人かが立ち上がり挨拶をしてきた。


「勇者様、お久しぶりです!教国魔法師団のっーー?!」


魔法師団と名乗った教国関係者であろう人が、おそらく謎の美少女を見た瞬間に放心した顔になった。


「ふっ、副団長!なぜここに?!」


え、副団長?

この人、魔法師団の副団長だったの?!


「私は勇者様の護衛として来た」


今初めて聞いたことを、副団長はドヤ顔をしながら言った。


「えぇっと‥‥‥言いづらいんですけど本国から帰還命令が来ていてーーーーーーまさか、無断で来たのですか?」


無断?


「ーーーーーそうなのか?」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」


あ、目をらしたぞ!


「ガハハハ!魔法師団は自由気ままと聞いていたが、本当のようだな!どうです勇者様、ここは教国騎士団のヨハネの四騎士である私を護衛にしてみては?」


ヨハネの四騎士ーーー強そうだな。


「っ!勇者様!!一応私は英傑えいけつの称号を貰っています!お疑いならば今ここでこの男を倒して見せましょう!」


と言いながら杖をヨハネの四騎士に向けたーーえ?


「ちょっと待て、さらっと反逆するようなこと言うな!」


「ハハ!受けてたとう!!」


ヨハネの四騎士と呼ばれる大男が剣を抜いた瞬間に、それを警告するように誰かが手を叩いた。


「お二人とも決闘なら神に誓ってから行ってください。これ以上、勇者様や帝国の方達に迷惑をかけるようなら最悪の場合、本国に報告しますよ?」


誰かが冷たい声でいうと、2人は目を合わせたあと素早く杖と剣を戻した。


「ーーーそれとカトレア様‥‥現在、私が教国全権となっていますがお許しください」


「そ、そうなんだ」


「勇者様、うちの2人がすいません。どうぞお座りくださいーーー2人は罰として立っているように」


「あ、あぁ」


すごいな、一気に静かになったぞ。


「ーーーーーーーエルア、副団長の方と仲良すぎです‥‥‥あとでもう一度お話ししましょうね?」


突然、後ろにいるシアさんがそんなことを耳打ちして来た。


全身が震えたのはシアの声が可愛いからではない。



それから俺は2人と同じく借りて来た猫のように静かになるのだった――――――――――――



―――――――――――――――――


Q シアさんTueeee!!


A 強さランキングです(非公式)

1位シア>>>>>>>2位エルア

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