〜第35話 もしかして神門会って〜

「ーーーーーーーーーーーエルア!!」


おそらくティアが起動させてしまったであろう、転移魔法にエルアがティアと共に目の前から消えた


ここはBランク洞窟の地上.....つまりここでの転移魔法は全て地下へと送られる......


私のせいだ....私がーーーエルアと話しているティアに嫉妬して、エルアを連れて罠も...警戒しないでここまで来たから.....私の、せいだ


「ーーーーあぁっ」


思わず足がすくんでしまい、その場に倒れかけるがなんとか立ち上がった


「.....」


だ、大丈夫だ....エルアは神位魔法が使えるし.....それに強い、こんなBランク洞窟では怪我も負わないだろう

実際この前二人で攻略したAランク洞窟の時だってーーーー


『ーーー洞窟って崩れやすいから神位魔法使えないんだよね....だからシアがいて助かったーーー」



「ーーーーっっ!!」


そう思い出してしまうとすぐに足が動き奥へと走って行った


罠の心配なんてしている時ではない、それにもし転移魔法ならエルアと同じ所へ転移出来るかもしれないーーーー




カンッ


しばらく走り罠にも何度か攻撃された後、地下3階へと降りた際にそう剣が擦れ合う音がした


もしかしてエルア?


「え、エルア!」


「ーーーっ?!」


そう声をかけたが、居たのは黒い外套を着た人だった


見れば魔物である「彷徨う騎士の亡霊」を倒し終わった様だ


「え、エルフがどうしてここに?」


「ーーーっ!」


もしかして隠蔽用のペンダントが取れた?

と思い耳を触ってみたが、取れているわけではない


「あ、隠蔽は出来てるよーーーただ私がそういうスキルを持ってるってだけ」


「.....」


黒い外套....もしかして依頼にあったシンモンカイ?の構成員だろうか


「もしかして....シンモンカイの構成員ですか?」


「ーーーーどこでそれを?」


「い、依頼です....エルアと....もう一人と一緒に来ていて」


「エルア?あぁ!空耳かと思ったけどカルストール様のことか、なるほどなるほど」


そう納得したように頷いた


「いやぁ失礼、シア様....私神門会帝国支部のユウナです、どうぞお見知りおきを」


そう言いながらフードを取ったユウナ、金髪の長い髪がふわっと舞った


「ど、どうして私の名前をーー?」


「一応副幹部ですからね、それで?エルア様ともう一人の方は?」


「ーーっ、そうだ!すぐに助けに行かないとーーーー!!」


「え?ちょ、ちょっと待ってください...シア様も結構負傷していますよ??」


「そ、それでもすぐに行かないとっ!」


「えぇ?この洞窟異変が起きてましてね、数日前まではBランクだったんですけど今ではSランクはありますよ?」


そう言われたのを聞くとさらにエルアとティアの身が心配になった


「だったらーー」


「あーーすいません、とりあえず怪我は治しますね」


それをいうとユウナは無詠唱で私の怪我を治した


ーーー無詠唱でそれもこんな傷もなく治せるなんて....


「一応傷が残らない様にしました.....それで?何があったんです?」


「ーーーは、走りながらで良いですか?」


「それだと罠ーーーまぁいっか....わかりました、走りながら話してください」


てっきりまた止められるのかと思ったが、ユウナはフードを被り私について来た

....もしかしたらエルアやティアを一緒に助けてくれるのかもしれない


そうして私たちは共に罠や魔物を全無視して進んだのだった



「ーーーーなるほどーーつまりエルア様の神位魔法が洞窟内だと使えないかもしれなくて助けに行っているんですね?」


「それだけじゃありませんが....」


私はエルアが神位魔法を使えていたとしても必ず助けに行く


「わかってますって....私から言えることは、エルア様は神位魔法だけが強いんじゃないんですよ」


「し、知ってます!そ、それでもーーー」


そこまでいうと察したのか、ユウナは「なるほどぉ」と理解した様に言った


「お熱いですねぇーーー」


「ーーーい、今それを言わないで?!」


「はいはい、とりあえずエルア様はシア様が思っている以上に強いんです、それに無理矢理進んでシア様が危機に陥ったら本末転倒ですよ?エルア様も悲しみます」


「う、それは....」


「わかりましたね?ーーーーさて、もうすぐで地下10階層ですね....エリアボスなのですが状況が状況なので無視しますね」


「ーーー無視?あ、あとエルアを助けてくれるんですか?」


「当たり前じゃないですか....一応エルア様は私たちの主ですからね?」


「ーーー主?教皇って聞いたんだけど」


「細かい話は後ですーーーっと、止まってください」


そう言われて止まるとエリアボスの扉の前で止まった


「これ、魔力をたくさん消費するから数回しか使えないんですよね」


そういうと下に目線をやり詠唱を始めた

......もしかして


「あぁ、偉大なる女神様どうか従僕なる我らに救済を、お力添えをーー{神槍 グングニル}」


そう詠唱し巨大な黄金に光る槍を思いっきり地面へと叩きつけると、大きな音を出して貫通した


「さぁ、行きますよ!この床って再生するんです!!」


「えぇ...」


もしかして、シンモンカイって....脳筋?

いや、でもありがたい


「あっ!魔物の群れです....無視できなさそうにないので戦いますが、シア様はここで待ってください」


「え?私もーーーって素手?!」


てっきり先ほど使った剣を使うのかと思ったのだがどうやら素手らしい


「オラオラ◯ねぇぇ!!」


ーーーーーエルアからシンモンカイは聖職者と聞いたのだけど.....気のせいかな?


と思うのだったーーーーーーー



―――――――――――――――――


Q エルア→神門会ヤバいやつ シア→脳筋?

もう終わりだよ神門会


A まぁ女神もちょっとアレですから


Q アレとは?そこを詳しく

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