〜第14話 まるで勇者様みたい!!〜

<Side シア>



「う、嘘...」


走り出して数分、大魔法が起こったであろう場所にあったのは文字通り地獄だった


元々跡地だったのが更地になり、あたりは赤く焦げている


「ーーな、なにこれ?」


始祖魔法...これが人間が出せる力なの?


「え、エルア!どこ?!」


そう呼んでみるが返事がない...まさかーー?


「ーーーあら」


突然、背後からそう声をかけられた


「ーーっ!!」


振り向くとそこに居たのはーー赤い瞳を持つ少女だった...まさか、吸血鬼?


「まだ人ーーいえ、エルフかしら....まぁどちらでもいいわ、生きていたなんて」


「い、生きていた?」



まるで誰かが死んだみたいな言い方にシアは呆然とした


死という文字が頭を支配する

死んだ……?エルアが?彼が、死んだ?


彼が…………………………死んだ?


そんなはずはない.........でも

この大魔法を受けて生き残れる者がいるのだろうか....?


「ーーあ、あ」


そう思うと立ってもいられなくなり、足元がふらつき座り込んでしまった


「な、なんで....」


どうしてこんなにも胸が痛むのだろう、彼が命の恩人だから?


「まぁ...あなた、私の復讐には関係ないけど私の顔を見たからには死んでもらうわよ」


そう吸血鬼の少女は言い、杖を取り出して詠唱を開始した


「ーーOh, poor little lamb, you were born in the wrong placeーーーー」


ーーあぁ........そっか


「ーー I become a god or whateverーー」


......好きだったんだ、私ーーーエルアのこと


なんだ、そうだったんだ


「ははは...」


自分でも驚くほどのチョロさに驚いてしまう

でも仕方ないじゃん、捕まりかけたところを助けてもらって、一緒に過ごして、あんなかっこいい魔法使って、かっこよくて物語の勇者様みたいで....


「うあ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


なんで、なんでなんでなんでなんでなんで


無事に帰るって約束したのに....言ってたのに


「ーーI'm red rather than blood, twilight, and greater than Godーー」


「ーーーエルアの嘘つき」


そう一言溢すと、詠唱が終わったのかあたりが熱くなってきた


「{魔槍 神殺しの槍}」グングニル


赤く、血の様な槍が振り下ろされてーーーーー


「{神壁展開}」


ーーーそう、彼の声が聞こえた






<Side エルア>



「{神壁展開}」


そう唱えると目前に巨大な魔法陣が現れ、グングニルを粉々にした


「ーーーえ?」


粉々になると思わなかったのか、吸血鬼の少女はそう素っ頓狂な声を上げた


「ーーこの威力が始祖魔法って絶対違うだろ」


そう笑ってしまう、確かに並の神なら今のグングニルで殺せるだろう

かと言って神位魔法かと聞かれると首を横に振るだろう


「な、なに...その魔法.....障壁は?!てか、なんで生きてーー」


「ーーいや、ちゃんと死にかけたぞ?回復魔法で回復しただけで」


そういうと、吸血鬼は苦虫を潰した顔になる


「ーー往生際の悪い....ならばもう一度ーーー」


「さっきの魔法...もしかして自作か?」


「ーーへぇ、わかるんですか...普通の人は言葉さえわからないと言うのに」


「まぁな...始祖魔法でも無いし神位魔法でも無い....が威力は始祖魔法よりも上だ、おそらく始祖魔法は少ししか使えない者が作った魔法だろう」


「そこまでわかるんですか...やっぱり神様は不平等ですね」


「?」


何か小声で聞こえた気がするが小さすぎるため聞こえなかった


「ーーそうですね、私が作りました...名付けるなら天位魔法ですね」


「....」


いや、そこはありきたりに王位魔法とか帝位魔法とかだろーーーと思ったことは内緒にしておこう


「油断...では無いですけど、次も避けれると思わないでくださいーー」


そう言うとあたりのマナが集まりだし、本能が危険信号を出し始めた


「ーーI am the one who destroys Godーーー」


ーーこれはまた...もし都市に降りてきていたら壊滅していたであろう威力を前に驚く


「え、エルア!!」


「ーーん?」


振り向くと何故かシアがいた


「ーーーどうしてここに?」


「え、エルアァァ!!」


疑問に思い聞き返すが、答えられる前に抱きつかれてしまった


「ーーうっ」


あ、当たってます!こんな時に色仕掛けは大歓迎やめてくださいです!!


「に、逃げて!エルア!!あの魔法さっきより威力が強いと思うからっーー!!」


「あー、うん」


なんか、これだとアレだな

俺Tueee系の強敵の攻撃を軽く受け止める主人公みたいになってしまいそうだ


「ーーremember, a weak godーー」


ならば取る方法は一つ、敵の魔法発動を邪魔すること


「ーーAlles Manna, Heiliger Geist, im Namen der Göttin Ayesha erkläre ich: Gehorche{命令権}」


「{英雄之ーーーがっーー!」


詠唱が終わる直前に吸血鬼の少女は魔法を暴発し、墜落した


「ま、魔法が、発動しない?!」


「発動しないんじゃ無いぞマナと聖霊、全てが俺に従った....だから敵である君は魔法を使えなくなっただけだ」


「はぁ?!そ、そんなことできるわけが...」


「これも神位魔法のおかげだ、俺の力では無い」


「し、シンイ魔法?」


さて、これ以上抵抗されてシアに怪我でもされたら泣く自信がある、そのためここで


「ーーGott, Pech für diese armen Prinzen{神威監獄}ーー」


そう詠唱すると、辺り一帯が黄金の魔法陣で埋め尽くされる


「天空魔法陣?!そ、そんな...人間がこれほどのを」


「す、凄いーー」


ーーーシアにめられると集中力が切れちゃうな、美少女恐るべし


「ーーFang mich」


だが、そう一言口にしたのだったーーーーーー



―――――――――――――――――


Q 作者さん、戦闘シーン描くの下手かな?


A 鳴くぞ


Q 鳴いた


A ーーーーはい?

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