〜第7.5話話 王子サマ、教国の大罪人にされる 他者視点②〜

無能エルアがさってから数日後、私たちは新たなパーティーメンバーを迎えて、ギルドからの指名依頼であるダンジョン攻略をしていた


「勇者様!今です!」


今は殲滅級冒険者パーティー向けダンジョンの中層のボスと戦っていた


「おうよ!まかせろっ!!」


新メンバーである鑑定士からの指示により俺はボスへと斬りかかった。

新メンバーの職業は鑑定士、魔物の弱点などを詳しく教えてくれる....無能とは大違いだな!


「GRAAAAA」


だが流石に勇者の俺でもダンジョンのボスとなるとワンパンはできなかった、なるほどどうやら敵は魔王軍の幹部級らしい


騎士団長アリス!!」


「任せてください...誇り高き剣士よその力を持ってして我らの前に立ちはだかる敵を滅ぼせ{絶対切断}」


騎士団長屈指の魔法剣技である絶対切断によりボスの右腕が切れて大きく後退する


「さすが、おっぱ...アリスだ!」


攻撃の際に凶悪な胸が揺れるのがとてもいい...じゃなくてさすが騎士団長、いい剣技だ


「最後は俺が決める!ーー神よ王子で在る我に尊き力をーー」


「あっ、勇者様危ないっ!!」


「ーーえ?ヘブシっ」


いつのまにか後ろに回り込んでいたボスの取り巻きに体当たりをされて大きく倒れてしまった


「いてぇ!お前、私が誰かわかっているのか!!」


「アリマン様!ーー炎よ我魔力をかてにかのものを討ち滅ぼさんとし{業火之楽園}」


「{神速}」


私が負傷したとわかってからか、アリスとマリスタがそれぞれ最高火力で助けてくれた


「アリマン様!大丈夫ですか?」


「大丈夫か?アリマン」


「あぁ...おい!鑑定士、ちゃんと見とけ!」


「え、...その...王子様が勝手に突っ込んでいったので」


「なんだ?私に逆らうのか?」


「ーーい、いえ」


「それよりも早く治療してあげてよー聖女サマ」


「了解です!慈悲深き女神よ聖女の名の下にかのものを癒したまえ{極上治癒}」


聖女にしか使えない最高治癒魔法{極上治癒}により俺の怪我が一瞬で治る....ことはなかった


「ーーえ?」


「ーーー?あ、あれ?おかしいな...」


「おい!聖女、早くアリマン様の怪我を治せよ」


「そうだぞ聖女、アリマンのお体に傷が残ったらどうするんだ」


「も、もう一回ーー{極上治癒}」


聖女がもう一回詠唱をするが、まったく傷が塞がらない


「お、おいどうなっているんだ?」


今まで普通に使えていたのに急に使えなくなることなんてあるか?


「あ、あのっ私、ポーションを持ってます」


っと新人メンバーがそう言ってポーションを渡してきた


「なに?さっさとかせ!」


そいつから無理やり取り、傷口にかけた


「ーーき、傷が残ったじゃないか!!なんだこのポーションは」


「は、ハイポーションです...」


「はぁ?そんな安いポーションをアリマン様に使ったのか?」


「前の無能でもエクストラポーションを常時持っていたわよ!」


と俺のハーレムメンバー達が次々に文句を言い出す、まぁ当たり前だな


「え、エクストラポーションって金貨数十枚ですよ...そんな高価なもの」


「アリマン様は勇者であり第一王子だぞ!」


「はぁ、これだから平民は」


「命の違いをわかってないよねー?」


「まぁ、まてもとはと言えばロゼリアお前が聖女のくせに聖位魔法の発動に失敗したからこうなったんだ...帰ったら....わかってるよな?」


「は、はい」


傷が残ってしまったのは残念だがロゼリアにあれこれできる口実を作れたのでよしとしよう

試してみたいこともあったしな


「今日はもう宿に帰るぞ...おい鑑定士、魔石を拾っておけ」


「は、はい!」



そうして依頼を一応達成したこともあり宿へと戻った俺たちはお楽しみへと入ったーーー



{翌日}



「ーーう...」


朝日に照らされ俺は起きた

昨日はちょいと強引にやりすぎたのかロゼリアが気絶してしまった、全くこれだから聖女は困る

アリスみたいに激しめでも気絶しないようにしてもらわなければなっ!!


そう思い、着替えて宿のロビーへと向かうと



「た、大変です!勇者様!冒険者ギルドにこんな張り紙が!」


「ーーん?」


鑑定士が何やら紙を持って走り寄ってきた


「なになに...教国は王国第一王子を...神門裁判しんもんさいばんにかける....は?」


そこに書かれていたのは思いもしないことだった


「神門裁判だって?私は勇者だぞ?」


神門裁判...聞いたことあるぞ、女神様の意思に反したものがかけられるという名ばかりの裁判であり

かけられる時点で有罪が決まっているようなものだ


「ど、どういうことだ?おい!ロゼリア!」


急いで部屋に戻り、寝ているみんなを叩き起こす


「むにゃ...どうしたんですか、アリマン様」


「おい、これを見ろ」


「なんですか?これ」


目をこすりながらロゼリアは書かれていることを見ると、嘘...神門裁判?と呟いた


「どういうことだ?」


「わ、わかりませんよ!で、でも神門裁判にかけられるってことは教国の神門会...いえ、教国ごと敵に回したってことですよ!」


「な、なんだと?」


そんなのありえない...俺は勇者で王国の第一王子、ロゼリアは神に選ばれた聖女なんだぞ?


「と、とにかくどうすれば」


「む、無理ですよ!神門会の追っ手から逃れたものはいません!!」


「そ、そんな....そうだ!父さんに言えば!きっと王国として抗議してくれるはずだ!」


「そ、そうだ!私は騎士団長なのだぞ...教国に反抗するくらい容易たやすいことだ!」


「う、うむ...それじゃあすぐに王城へと向かうぞ!!」


大丈夫だ、きっと王国として教国に対して反抗するだろう...だって私は勇者にして第一王子なのだからな!!






だが、このアリマンの行動がのちに王国が全世界から攻められることになってしまうことは夢にも思っていなかったーーー?!




―――――――――――――――――


Q 鑑定士ってことは職業も鑑定できるんじゃーー?


A この鑑定士、裏がありそうですねーー


Q ところでシアとのイチャラブはまだですか?


A あと数話ですかね?

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