〜第31話 これは不倫ではない...だから落ち着いてくれ〜

「ーーーさて、どういうことか説明してくれますか?」


ーーーあの後、ティアを宿へ連れ帰った俺は見事に満面の笑みを浮かべたシアに正座させられていた

....まさか言い訳を考えようと部屋に入ったらシアが先に帰っていて鉢合はちあわせるなんてなーーははは.....いや、笑っている場合ではない


「ご、誤解です」


「何処が誤解なんですか?私から見たらエルアが帰ってきたら別の女性を部屋に連れてきたとしか見えないのですが......」


あれ、何も間違っていないのでは?そうなると俺ただの不倫した男になっちゃうぞ


「間違ってないけど、誤解です」


「はぁ.......やっぱり人間の男性って可愛い女の子を沢山侍らせたいのですか?」


「いや、そんなことは.....ないとは言えないが」


あ、今言いかけた時ゴミを見るような視線になった....ちょっと良いなと思ったとこは言わないでおこう、うん


「な、ないです!」


「ーーー別にエルフにも数人の妻をめとる方はいますが....早くないですか?」


「別に娶るつもりで連れてきたわけじゃないよ?!」


「口ではみんなそう言いますよ.....でもエルアは私が居ない間に無意識にたらしてそうなので、やっぱり拘束しておいた方がいいですかね」


そういうとシアはどこからか拘束用の魔導具を取り出した

ーーーーちょ、そんなもの何処で買ったの!返してきなさい!!


「こ、拘束?!」


「半分冗談です」


よかった......ハンブン?


「........」


無言のままシアはティアの方へと行くと、マントを脱がせた


ーーーー肌の露出が多くて目の置き場に困る、などと考えている場合ではない


「ーーーエルフ.....ですか」


「あ、あぁ....奴隷商に捕まっていたらしい、それで引き取った」


ーーーん?違法奴隷商から神門会が強奪したのをお金を貰って引き取るーーーこれ、完全犯罪じゃん.....まさか神門会の策略?!


「ーー大体、想像はつきました....この子をエルフ領まで連れて行くんですね?」


「そうだ、もちろんエルフ領についたら隷属契約れいぞくけいやくも破棄するつもりだ」


「ーー隷属契約もしたんですかーー?」


「い、一応聖職者のが掛けたから感情の抑圧よくあつなどはない....はず」


あの神門会のことだ、もしものことがあるかもしれない


「それはエルアなので、心配していませんが.....」


「ただ、前の隷属魔法による一時的な後遺症はあるみたいだが」


「.......」


またしばらく無言になったシアはこちらを見て聞いてきた


「私はエルフですが、エルアの妻なので聞きますけど....エルアは私の他にも娶るつもりなんですか?」


「俺の嫁はシアだけだ」


「ーーー女性からお願いされても?」


「あぁ」


確かに男ならハーレムを夢見るかもしれないが、それでシアが悲しむのなら本末転倒だ


「女性の気持ちを無下にするのはダメですよ」


「シアはいいのか?」


「それは....ダメですね、嫉妬でエルアのこと監禁しそうです」


うんやっぱりダメだよね、そもそもシアの他に娶るつもりなどないのだが.......


「ーーまぁ、エルアが娶るつもりで連れてきたわけではないのはわかりました」


「よ、よかった」


「それでも今度からはちゃんと私に言ってくださいね?」


「わ、わかった」


流石に同じ過ちは犯さない....と思う


「ーーーあと、一つ聞きたいのですが」


「ーーー?」


「もしかしてエルアって....奴隷プレイが好きなんですか?」


「ーーーーん?」


今なんてなんとおっしゃいました?奴隷プレイ??


「そんなわけ......」


おい、口ごもるな勇者!ちゃんと否定しろ!!


「.....別にエルアがお好きなら私もーー」


「変な気分になるからやめようか?!」


先ほどからティアが無表情から軽蔑の目で見ている気がする、俺を


「わかりました、後私はこの子とお話ししたいので少しの間、部屋を開けてください」


「ーー?」


「女の子同士の会話を聞くのはダメですよ?」


そう言えばそんな感じのこと地球に居た時でも聞いたな


「わかった....何かあったら呼んでくれ」


「はい」


そう返事を聞くと俺は部屋から出た


とりあえず誤解は解けたようでよかった、うん



―――――――――――――――――


Q シアがハーレムを防ぐ最終防衛線となってますね、素晴らしい


A なお、陥落まで半日もない模様


Q ーーーーーはい?

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