〜第30話 これは不倫ではない〜
か、かわいいーーーーーって、待て待て何を考えているんだ俺は....俺にはシアがっーー!
「ちょっと隷属魔法に血を取りますねーーって勇者様大丈夫ですか?」
「あ、あぁ...ど、どうぞ」
「ーーー?まぁ、いいや.....はいーーーこれでよし、一応治癒魔法かけときますねーー」
ーーってこの人、隷属魔法も使えるの?ーーー本当に神門会ヤバくない?
「ーーーー服従せよ {隷属契約}ーーーこれで完了です」
「早いな」
「それほどでもーー」
ーー見た感じ感情や思考を制限する系の隷属魔法ではないな、おそらく聖職者が契約を成立させたからなのだろう.......聖職者?
....当たり前だが神位魔法を持ってすれば簡単に破棄できる契約だな、それも一方的に
なら最初から契約しなければ良い、と言う話になるかもしれないがそうではない
奴隷...特に罪人奴隷となると、人権のじの字もないのだが主人がいない奴隷となるとさらに酷い扱いを受けやすくなる
だが、一応奴隷契約をされていると最低限の扱いは保証されるーーー奴隷としての最低限だが
そのため隷属契約はしておいた方がいいのだ
「...それにしてもシアになんて言えばいいか...」
「ほうほう、勇者様の奥様はシアというのですね....姓はーーーカルストールですね」
おい、今メモしたぞこの人
見えてたからな?そう顔を向けるとと満面の笑みを返された
「まぁ...その頑張ってください、どうせここで引き取らなかったとしてもどこかで修羅場になってましたよーー」
「おい、勇者様にあまりちょっかいをかけるんじゃない、それにまだ任務は終わってないぞ」
「えぇ、やですよーーめんどくさいですーー」
そう愚痴をこぼしながら、このエルフを出した家に引きずられて行った
「ーーーえっと....君、名前は?」
「.....」
うーん、やっぱり前の隷属魔法の影響なのか先程から無表情だ.....なんというか本当に人形みたい、それほど顔が整っているーーーって俺は既婚者だぞ!!
「ーーーーアーーです」
「ーーー?」
「....ティア....です」
「ティアラかーーーありがとう、俺はエルアだ...一応主人ということだが、気にしなくていい」
「.....」
うっ、壊滅的に会話ができない....まぁ仕方がないか
「えっと、俺....ともう一人が今日泊まる宿に行きたいのだが....その前に服を探さないとな」
肌の露出が多くて困る.....いや、俺にはシアという嫁がーー!!
「あ!お洋服ですか?ーーーこれとかどうですか?」
話を聞いていたのか、作業をしていた手を止めて一つの服を渡してきた
「ありがとーーーってなんだこれ、メイド服じゃないか」
「えーー?普通に従者にするんですよね?もしかして性どーー」
「普通の服はないか?」
その言葉を
「え、えっーと....ないですね、良ければこれ着ます?」
そう言って渡してきたのは黒いワンピースというよりは...なんというか防御性が高そうな服だ
「なんだこれ」
「神門会の服ですねーーこれ大抵の魔法なら耐えるんですよ?」
「すごい性能だが....着たら洗脳されそうだ」
「洗脳ーーーー?これ以外はないですね....あ、家の中にゴスロリ衣装がーー」
「もう今来ているマント着せるから、大丈夫だ」
ーーーエルフだし、このマントで耳も隠蔽できるしちょうどいいだろう、最初からこうすればよかったな
「俺が来ていたやつだが....宿まで我慢してくれ」
「ーーーーーはい....」
....最初よりは表情も柔らかくなった気がする、無表情なため多分気のせいだろう
「ーーーーそれにしても本当にどうしよう」
思わずため息をついてしまうが....どちらにしろこのエルフを保護していたのだろう、自分の甘さに呆れてしまう
ーーーーーーいや、待てよ....よくよく考えたら別におかしなことでもないんじゃ?
そう、これはただ単にシアの同族であるエルフを助ける行為
それにまだ何も起きていない、不倫でもないのだ
うん、何を戸惑っていたんだ俺は...よし帰るか
ーーーー数十分後、ティアを宿に連れ帰った俺はーーー
「ーーーエルア、どういうことか説明してくれますよね?」
満面の笑みでシアに正座させられていた
いやー、可愛いけど怖いですシアさん...ははーーーーーーどこで間違えた?
―――――――――――――――――
Q ざまぁみろ!!
A えぇ...
Q というのは冗談で...修羅場じゃないですか?
A どうする?!エルア?!
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