〜第32話 まだ油断は禁物ですSide シア〜

ーーーエルアが部屋を出た後、私はエルアが連れてきたエルフと向き合った


サラサラとした白髪に私と同じ青色でそれでいて透き通るような綺麗な瞳....エルア曰く前の隷属魔法による一時的な後遺症だそうで、先ほどから無表情だ


ーーーーそれでも私から見てもわかるほどの美少女....


「えっと...一応聞くのだけど、エルアと何かあった?」


「ありません...主人が人間なのでもっと雑にあつかわれるかと思っていましたが....」


「ふふん」


「ーーーなんであなたが誇らしげなのですか?」


そりゃね、エルアはそこらにいる人間共にんげんどもとは違うから


「コホン....それで本題なんだけど私たちはエルフ領に向かっているんだけど、あなたはエルフ領に家はある?」


「ーーーー本当にエルフ領に向かうんですね...両親がいますよ」


「そっか、じゃあエルアから聞いたと思うけどエルフ領に着いたら隷属契約はエルアが破棄はきするからそのつもりで....」


ここから亜人地区の西側にあるエルフ領まで、数ヶ月だけど.....あれ、そんなに沢山時間あったら絶対エルア、気づかないうちにこの子のことれさせるんじゃーー?


「あともう一つ....私、エルアと結婚しているの」


「ーーー自慢ですか?」


......この子私が主人じゃないからか、冷たくない?同じエルフだよ?

エルアの時の方が表情がやわらかかったし.....


「.....それで、私はまだエルアに二人目の妻は早いと思っているし...そもそもエルフ族も人間族も通常、妻は一人でーーー」


「.........」


「ーーあ、だからと言ってエルアが沢山娶るのに反対ってわけじゃ......これ、エルアには内緒ね?」


「ーーー何が言いたいんですか?」


先ほどから一人で戸惑とまどっている私がおかしく感じたのか、少し口角を上げながら聞いてきた


「つまり!エルアは女たらしだから、あなたのこと惚れさせるかもしれないけど惚れちゃダメだから!!」


「....そう聞くと私のご主人様は女遊びが激しい様に聞こえるのですが?」


ご、ご主人様って....やっぱりエルアそういうプレイが好きなんじゃーー?


「え、エルアは天然たらしだから!」


「そう...ですか」


「........」


「.....本当に好きなんですね」


「ーーーへ?そ、そうだけど?!」


「エルフなのに人間と結婚するなんて....と最初は思っていましたが、相思相愛のようですね」


「そ、相思相愛....ふふふ」


「わかりました、もちろん私は最初から人間と結婚するつもりはありませんし、恋するつもりもありません」


「む....」


そう言われるとエルアが他の人間と同じみたいに聞こえて、イラついてしまった


「ーーどうせあなたも一週間後にはエルアにれるているから!!」


「どっちなんですか」


「ーーーっっ、今のはなし!」


「はぁ....」


あれ....この子、すごくあきれた顔で私を見ている


「ーーーそ、そう言えば聞いてなかったけど名前は?もう知っていると思うけど、私はシア...シア・カルストール」


ーーうん、自分の名前の後にエルアの姓を言うと、嬉しくてニヤけてしまう


「私はティアです... 姓はありません」


「じゃあティアって呼ぶね?私のこともシアで」


「わかりました」


ティア....ティア・カルストール.....あれ、違和感ないな

い、いや!ティアはエルアを取らないって約束してくれたし!


「取りませんよ」


「何も言ってないよ?!」


「顔に出ています」


え、そんなに出てたの?


「は、話はこれで終わり!ーーーあと、その服のままだとあれだから...この服を着て」


そう言い、一着の服を渡した


「はい」


そう返事をし、ティアが上を脱ぐとその体が露わになった


「....わぁ...」


「ーーーあの...何かありました?」


「な、なんでもないよ?」


「ーーー?そうですか」


....どこがとは言わないけど.....私より大きい

いや、同じ村にいた女性のエルフはティアくらいの大きさだったし、私が小さいのだろう


ーーーーもしかしてエルアってティアくらいのサイズが好きなの?


そう考えるとますます取られるのでは?と心配になった

ーーーやっぱり油断してはいけない気がする


「.....あぁ、そういうことですか」


「ーーーなにが?」


納得したように呟くティアに私は聞き返した


「いえ....なんでも」


ーーーーあ、今この子...少し笑った


ま、まさか自分の方が大きいことに気づいて?!


「え、エルアは小さい方が好きだから!!」


「聞いてませんよ、なんですか急に」



ーーーー思わずそう言ってしまい、また「なんだ、こいつ」という目を向けられてしまったのだったーーー



―――――――――――――――――


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