〜第33話 あれ、ティアも強すぎない?〜


「ーーーと言うことです、いいですか?エルア」


先ほど二人が決めたことを話した後に、シアは俺に約束してくださいね?と念押しして言ってきた


「あぁ、了解だ」


決まり事は簡単に言うと


ティアに手を出さないこと、とティアに誘惑されても乗らないこと


である....こう見ると俺は絶倫のように思えくるが断じて俺は絶倫ではない


「えっと...こんな事を言っておいてなんですが、私は別にエルアが何人も娶ることに反対している訳ではないですよ?」


「ーーー?ごめん、聞こえなかった」


「な、なんでもないです!」


シアは顔を赤面して言う

....最近耳が遠く感じる時があるのだが....もう歳なのだろうか?一応16歳なのだが


「シアさんは今、エルア様が妻をーー」


「ま、待って!ティア、言わなくていいから!!」


「ーーーそうですか、ヘタレですね」


「へ、ヘタレ?!」


俺が外にいる間にどうやら、ティアはシアと溶け込めたようだ。

仲がいいようで何よりである



「ーーエルア、それなんですか?」


シアが疑問に思ったのは俺が持っている依頼書だった


「あーー、さっきな指名依頼を受けて....これは依頼書だ」


実を言うと宿に神門会の二人組が来て「教国からの指名依頼ですー(笑)」

ーーと依頼書を渡してきたのだ、内容はBランク洞窟の調査と捜索依頼


なぜBランク洞窟?と思ったがどうやらつい最近、帝国に使者として駐在している神門会構成員がここの洞窟で行方不明になったようだ


それってヤバくない?と思ったが生命反応はあるらしく生きているとのこと


「達成料...白金貨50枚ってそれほど危険という事ですか?」


「依頼主によると調査だから一応危険ではないらしい....」


「依頼主の欄に教国と書いてありますが....エルア様は教国と繋がりがあるのですか?」


「言っていなかったか.....俺は勇者だ」


「なるほど...どうりで奴隷商人を投げ飛ばした人たちが尊敬の眼差しを向けていたのですね」


「ーーー投げ飛ばした?」


あの二人そんなこともやってたの?こわ


「Bランク洞窟での捜索依頼ですか、私は構いませんが...ティアはどうします?」


「主人が言って奴隷が行かないなんて、ありえませんよ」


「そ、そうか...一応聞くがティアは聖霊魔法をどのくらい扱えるんだ?」


「そうですね、私こう見えてかなり生きてきましたので聖霊を降臨させることが出来ます」


「聖霊を降臨させることが出来るんですか?!」


シアがその凄さを1番理解しているのか、目を輝かせた


「聖霊の降臨か...凄いのはわかっているんだが、実際どのくらいなんだ?」


「そうですね....私は主に水の大聖霊であるウンディーネの力を司る聖霊を降臨させるのですが、始祖魔法の水魔法とほぼ同じ威力と言われましたね」


ーーーえ、強くない?

なんでそんなに強いのに奴隷商に捕まったのだろうか?


「ーー罠に嵌められたんです」


「何も言ってないよ?!」


「顔に出ています」


そんなに顔に出ているのか....


「ティア...そんなに長けているの?それじゃあ私の存在意義なくない?これじゃあエルアが目移りしちゃうじゃん...」


ティアと話しすぎたのか、いつのまにかシアの目から光が消えている


「シアは聖霊魔法による治癒も使えたよね?シアに治癒魔法かけてもらえると俺は嬉しいかな」


「!!そうですね!私は治癒魔法も使えるんです!」


よかった、以前シアの魔力を見た際にどの適正があるか調べておいてよかった


「........私は使えないですね」


あ、今悩んだぞこの子

ティアも使えるパターンだ


とはいえシアに直して欲しいのは本音だ....一応言うがそういうプレイが好きな訳ではない



「では明日、Bランク洞窟に向かいましょうか」


ティアの防具は?と思ったがエルフは基本的に防具はつけないで戦闘する派だったな


「ーーあぁ、だが一応シアとティアの安全第一だ...何かあったら引き返すぞ」


「エルアもですよ」


「そうですね、ご主人様が死んだら私も死んでしまうので気をつけてください」


「そ、そうか...わかった、全員無事に達成しよう」


「はい」


「わかりました」



....そういえば聖霊降臨を取得するのにかなり年月がかかると聞いたな


「ーーーティアって何歳なんだ?」


「....女性にそれは禁句ですよ」


「エルア?もしかして歳上が好きなの?私も一応歳上だよ?」


あ、地雷踏んだーーーーー



―――――――――――――――――


Q エルアさん、最後の最後で何してるんですか


A 変なところで鈍感だからね、仕方ないね

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