〜第26話 さすがです!王子サマ!!〜




父上を説得したあと、護衛をねた数人の宮廷魔法師と勇者パーティーを引き連れて俺は王国と皇国の境目にあるルーマイン辺境伯の城へと来ていた


「アリマン様、今回の交渉の材料はどうされるのですか?」


そう、俺のおっぱ....アリスに聞かれた

やはり騎士団長たる者、気になるのだろう


「聞いたところによると皇王は女神より神から選定された勇者を信仰しているようだーーーーつまりその勇者から直々に聖戦に参加するように言われるのだぞ?もはや皇国は味方についたのも同然だ!」


実際に皇国にある教会には女神選定の勇者を唯一無二の神の使徒としてまつっているそうだ

教国を降伏させたら皇国でハーレムを築くのもいいな....聞くところによると皇女たちは絶世の美女、美少女みたいだし


「なるほど!確かに皇国は勇者信仰が盛んだと学びました、さすがアリマン様です」


「博識ですね!アリマン様、流石です!!」


「まぁ、未来の国王様であるアリマンだから当然よね!!」


口々に褒め称える嫁たち....ふむ、やっぱりここに皇女を入れたいなーー



「王子殿下、こちらの会談室にてルーマイン伯爵卿と皇国側の全権をお持ちである使者がおられます」


しばらく歩くと会談室の扉の前につき伯爵卿の執事から案内され、中へと促された



「これは王子殿下、ようこそ参られました...こちらがーー」


「レーゲン皇国全権第二皇女のアルカディア・シラス・レーゲンでございますーーー以後お見知りおきを」


「ーーー?!しょ、紹介ありがとう...私はアルトール王国全権第一王子....そして女神選定の勇者アリマン・アルトリア・アルトールだ」


す、すげぇーーーまさか使者が第二皇女だとは...第一皇女と会ったことはあったがちょっと幼さがあるものの、紛れもない美少女だった

交渉の使者として王国に第二皇女を送ってくると言うことは....これって婚約申し込みか?


やばい、自分がモテすぎて困るんだが?!


「女神様選定のーーーー勇者ですか?」


そう驚いたように聞いてきたアルカディアちゃん


「そ、そうだ....聞くところによると皇国は勇者信仰が盛んだと聞いたのだが....知らなかったのか?」


「ーーっ、一応聞きますが」


明らかに動揺したあと、小さくつぶやき疑問を投げかけてきた


「女神様選定の勇者様なら、なぜ教国と戦争一歩手前になっているのでしょうか?」


む、核心を突いてきたな...どうやらアルカディアちゃんは意外と頭がいいらしい


「それは.....教皇が女神の使徒である私の存在を危険視しているからだ」


「ーーーー危険視?」


「あぁ、おそらく教皇は今の絶対的な権力を維持し続けたいのだろう...だから内部分裂が起こるような要因である女神選定の勇者である私を消しに来たーーーということだ」


「......」


瞬時に思いついた理由を並べると、納得したのか深刻そうな表情を浮かべた


「ーーというわけで理解したと思うが、これは対等な会談ではない」


「ーーーーーはい?」


俺は目を見開いた皇女へとそう告げる


「つまり....だ、勇者である私から協力をうながしているのだーーーこれは神託であるとも言える」


「は、はぁ?」


「皆まで言わなくてもわかる、そちらはもう教国との全面戦争へ備えているのだろう?王国と皇国ーー両国が協力関係にあれば教国とてすぐに降伏するだろう」




ーーーこの時点で王子サマの度重なる教国や教皇への誹謗的な言葉により皇女は冷酷な視線を向けていたのだが王子は気にすることなく言葉をつむいだーー



「ーーどうだ?両国の友好への足枷あしかせとして第一王子と第二皇女との間に婚約を発表するのは?」



ーーー普通なら、これでも社交辞令を叩き込まれた王子はすぐさま婚約などおそらくしないのだが、すでに王子サマは理性より本能で動いているようだったーーーいや、もしかしたら普段もそうかもしれない



「.....」


そんな王子のお誘いに対し皇女は満面の笑みを浮かべて


「いいでしょう、戦争です」



ーーーっと、口調が崩れてしまうのだったーーー





―――――――――――――――――


Q 次は帝国ですかね、連合王国は名前からして味方になりそうですが....


A .....そういえば連合王国に誰か向かってませんでしたっけ?


Q ーーーーあっ


A 降伏RTAですね

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