【完結】金髪ギャル空手家がダンジョン配信したら大バズリした件 ~圧倒的な強さで楽々とソロ攻略しすぎたから、その勢いで魔王を倒しに異世界へ行くことにしたよ❤
最終話 歴史に残る大英雄、そして姫川花緒は伝説へ!!
最終話 歴史に残る大英雄、そして姫川花緒は伝説へ!!
魔王(二世)を倒して1週間後――。
あーしは総理大臣官邸にいた。
場所は金屏風が立てられた大ホールだ。
そこには総理大臣を始めとして国の重要な大臣たち、そしてダンジョン協会の会長や迷宮庁の長官など相当なる顔ぶれが揃っていた。
もちろん、全員の顔は喜びに満ち溢れている。
「姫川花緒殿、貴殿はこの日本を救ってくれた英雄として、ここに国民栄誉賞を授与する」
「ありがとうございます」
あーしは総理大臣から表彰状と盾及び記念品をもらった。
パシャパシャパシャパシャッ!
直後、目もくらむようなカメラのフラッシュが浴びせられる。
明日の各新聞やネット記事はすべてあーしのことで埋め尽くされるだろう。
「姫川さん、この日本のみならず世界を救った感想を一言!」
記者の1人から遠巻きに質問される。
あーしは胸を張った。
「感想なんて特にありません。あーし……いえ、私は空手家として当然のことをしたまでです」
おお~、という記者たちからの歓声が漏れる。
パシャパシャパシャパシャッパシャパシャパシャパシャッ!
同時に、再びカメラのフラッシュがマシンガンの如く浴びせられる。
「ダンジョン配信の登録者が前人未到の1000万人を超えたそうですが、最初からこのような結果になると確信して配信活動を始めたのでしょうか?」
う……どうしよう……最初は単純にお小遣い稼ぎだったなんて言えない。
記者たちは記事になりそうなコメントを求めている。
それは雰囲気でわかった。
さすがにここは大人な対応をしておくべきね。
あーしは「もちろんです」と堂々と答えた。
「ですが、すべてを把握した上で配信活動を行ったわけじゃありません。虫の知らせと言うべきか、空手家としての勘というか……まあ、そんな感じです!」
「おおおおおおおおおおおおおお」
大ホール全体に歓声が沸き起こる。
「すごい、これは特ダネだ!」
「10代という史上最年少で国民栄誉賞をもらったばかりか、ダンジョン配信で前人未到の登録者が1000万人を超えた美女空手家……これはすごい!」
「姫川さん、アメリカの首相からも激励のコメントが来たそうですね。何でもアメリカに来る用事があれば国賓扱いされると」
「はい、ありがたいことにアメリカ大統領からも温かいコメントをいただきました」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
パシャパシャパシャパシャッパシャパシャパシャパシャッパシャパシャパシャパシャッパシャパシャパシャパシャッ!
あーしは笑顔で記者たちに手を振った。
この授与式はネットでもリアルタイムで中継されている。
今頃は各動画サイトでもあーしの話題で持ちきりだろう。
それほどのことを、あーしはやってのけたのだ。
とはいえ、そのことを自分の配信や各テレビ局やインフルエンサーたちからオファーされている番組で言うつもりはない。
あーしは本当にあーし自身がやれたことをやっただけなんだから。
そんなことを思っていると、別の記者から「姫川さん、これからはどういう活動をしていかれますか?」と質問された。
はい、これからは配信で稼いだお金で一生遊んで暮らしたいと思います。
というのは口に出さないでおいた。
そんなことを言えば大炎上は確定だからね。
マジでネットって怖いところなのよ。
昨日まで神インフルエンサーとしてチヤホヤされた配信者がいたとしても、たった一言の何気ない発言で一転して地獄に落ちることだってある。
だから公の前では本音は漏らさない。
もちろん、一生遊んで暮らせることも余裕だ。
今のあーしの銀行口座には人生を2~3回ぐらいやり直せる額のお金が振り込まれていたが、そのお金を使って豪遊三昧をするつもりはあまりない。
最初は単なるお小遣い稼ぎで始めたダンジョン配信だったが、自分の力を使って冒険したりリスナーたちと交流したりする快感を覚えてしまった。
これは決してお金だけでは満足できないことだ。
だから、あーしはまだまだダンジョン配信を続ける。
〈扉〉を使って異世界に転移したが、こっちのダンジョンはまだまだ奥があるのだ。
なので、あーしは記者たちを見回して告げた。
「まずは異世界の魔王がダンジョン街の中心地を攻撃し、それによって多くの死傷者が出たことを深く悔いたいと思います。私がもう少し早く気づいたらあれだけの死傷者は出なかったかもしれません。ですので、その復興作業費や犠牲者の方やご遺族への支援金を私のポケットマネーで捻出したいと思います。それらがすべて終わったあと、私はこれからも1人の配信者として、ダンジョンでの冒険を続けていこうと思います。そして目指すはチャンネル登録者1億人です!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
パシャパシャパシャパシャッパシャパシャパシャパシャッパシャパシャパシャパシャッパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャッパシャパシャパシャパシャッパシャパシャパシャパシャッパシャパシャパシャパシャッ!
この発言により、大ホールの中は部屋全体を揺るがすほどの歓声とフラッシュ音がいつまでも鳴り響いた。
こののち花緒が創設した〈ギャル空手家・花ちゃんch〉は、チャンネル登録者数1億人を超え、花緒は前代未聞のダンジョン配信者となる。
それだけではなく、花緒はダンジョン協会や迷宮庁のマスコットガールとしても活躍し、世界でも有数のIT企業からも仕事のオファーが舞い込んできた。
SNSのインプレッションも年間で10億回数を超え、全世界で姫川花緒の名前と実力が知れ渡ることになる。
それでも花緒は驕ることなく、ダンジョン配信を続けて多くのリスナーたちに楽しさと勇気と希望を与えた。
そして、それはこれからも続くだろう。
姫川花緒の輝かしい最強無双の空手ダンジョン配信譚が――。
〈了〉
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【あとがき】
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
花緒のダンジョン配信はまだまだ続きますが、物語自体はここで幕引きとさせていただきます。
「面白かった」や「次回作に期待」と思われた方はフォローや★★★などで応援してくれると嬉しいです。
本当にありがとうございましたm(__)m
【完結】金髪ギャル空手家がダンジョン配信したら大バズリした件 ~圧倒的な強さで楽々とソロ攻略しすぎたから、その勢いで魔王を倒しに異世界へ行くことにしたよ❤ 岡崎 剛柔(おかざき・ごうじゅう) @xtomoyuk1203
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