【完結】金髪ギャル空手家がダンジョン配信したら大バズリした件 ~圧倒的な強さで楽々とソロ攻略しすぎたから、その勢いで魔王を倒しに異世界へ行くことにしたよ❤
第38話 極寒エリアでの激闘、花緒VSアイスドラゴン!
第38話 極寒エリアでの激闘、花緒VSアイスドラゴン!
あーしは砂漠エリアを抜けると、リスナーたちに許可をもらって異世界道場で気力と体力を全回復させた。
そうしてすぐに戻ってくると、砂漠エリアを抜けた先にあった極寒エリアへと足を踏み入れた。
極寒エリアは超巨大な氷の洞窟だった。
暑さから一転して寒さに。
さすがは戦魔大陸。
パパから会得したスキルがなかったら絶対に死んでた。
うん、間違いなく。
そんで、この氷の洞窟には強力なドラゴンがいるのも、パパから聞いて知ってた。
確か名前はアイスドラゴン。
うん、まんまって感じ❤
あーしはそんなことを考えながら、氷の洞窟内を突き進んでいく。
「寒いけど、ここも突破しないとね」
洞窟の入り口は巨大な氷柱で飾られ、まるで氷の王国だった。
氷の結晶が反射する光は、洞窟内の冷たさを一層際立たせる。
あーしは〈極寒耐性〉のスキルがあるから平気だけど、なぜかリスナーたちは画面越しでも寒さを感じているようだった。
『うひ~、めっちゃ寒そう!』
『花ちゃん、空手着のままで本当に大丈夫?』
『スキルなんてこの世にねえよとSNSで言ってた奴がいるけど、花緒の平気さを見て逆にブルってんじゃね? マジで花緒はスキル使ってるじゃん』
『ホンマに寒さを感じてへんのはすごい』
『花ちゃん、今回も頑張れ!』
「みんな、ありがとね。今回も姫川花緒、頑張ってこの氷の洞窟を抜けたいと思いま~す❤」
リスナーたちと交流しながら洞窟の中を進んでいく。
スキルがなければとっくに凍死していただろう。
それほど氷の洞窟内は極寒の極致と化していた。
「うわ~、マジで寒そう……いくらスキルで大丈夫でも、さっさとこんなところは抜けるのがよさそう。というか、そうすべき」
あーしはリスナーたちに笑顔を見せつつ、自分を奮い立たせた。
同時に氷の洞窟の主だというアイスドラゴンのことを考える。
さあ、どこからでもかかってきなさい!
と、意気込んだ直後だった。
グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
洞窟の奥から全長15メートルはあるアイスドラゴンが爆速で現れた。
漫画やラノベで登場するドラゴンそのもの。
ただし、その体は氷で覆われており、目からは冷たい光が放たれている。
まるで氷の巨神が目覚めたかのような威圧感があった。
「早速、現れたわね!」
あーしは80倍〈光気功〉を発動させて迎え撃つ。
ちらっと横に飛んでいるドローンの配信画面を見ると、リスナーたちの応援コメントが流れ、あーしの背中を押してくれていた。
『頑張れ、花ちゃん!』
『負けるな!』
『花緒ならドラゴンに勝てる!』
『うおおおおお』
『盛り上がってきたあああああああ』
『やったれええええええええ』
モチのロン!
あんな奴には負けないよ!
そう心の中で応えたときだった。
グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
アイスドラゴンは大きく口を開け、アイスブレスを吐き出した。
拳大の雹が何百と含まれた突風が押し寄せる。
あーしは大きく真横に跳んでアイスブレスを回避。
すかさず反撃に出る。
「――〈千歩神拳〉!」
あーしは右拳から気弾を放つ。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ――――ッ!
よし、勝った!
と、思ったの束の間——。
グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
アイスドラゴンを再びアイスブレスを吐き出した。
いや、先ほどよりも威力が上がっている。
アイスブレスではなく、それはアイスミサイルと呼ぶべき威力があった。
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン
あーしの〈千歩神拳〉とアイスミサイルが空中でぶつかり、巨大な爆発と爆風が発生した。
同時にそれは、あーしの〈千歩神拳〉が搔き消されたことを意味していた。
……マジ?
いよいよ、戦魔大陸も本番ということみたい。
これは気を引き締めないと!
あーしは落ち込むことなく追撃する。
地面を蹴ってアイスドラゴンに肉薄すると、近距離から攻撃を繰り出した。
「――〈千撃拳〉ッ!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッ!
これまでなら〈千撃拳〉でも大抵の敵は倒せていた。
けれど、アイスドラゴンはあーしの〈千撃拳〉に耐えている。
だったらギアを上げるわよ!
「――〈万撃拳〉ッ!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッ!
「ギョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
あーしの〈万撃拳〉を食らったアイスドラゴンは、さすがに耐え切れずに肉体を崩壊させていった。
やがてアイスドラゴンは粉々に砕け散る。
「見たか!」
あーしは爆風を回避して戻ってきたドローンにVサインする。
『すげえええええええええええええ』
『花ちゃんも強かったけど、氷のドラゴンも強かったね』
『いよいよ本番って感じになってきたな』
『これからメッチャ強い敵が出て来るんだろうな』
『でも、俺らの花ちゃんは無敵だ!』
『早く魔王を倒してこっちの世界に戻ってきてくれ』
『オフ会とかサイン会キボンヌ』
あーしは満面の笑みを浮かべた。
「うん、あーしも早く魔王を倒してそっちの世界に帰るから、それまで応援よろしくね❤」
こうして、あーしは次のエリアへと向かったのだった。
〈ギャル空手家・花ちゃんch〉
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