第11話   下層への挑戦、ジャイアント・スパイダーの巣窟!

 洞窟エリアに到着したあーしは、周囲の巨大な石段に目を奪われた。


 石段は深い闇の中へと続き、その先には何が待ち受けているのか予測もつかない。


 だけど、あーしの心には恐怖なんてないよ。


 むしろ、次の挑戦への期待感で胸が高鳴るって感じ。


「よし、みんな! これからあーしは下層に向かうよ! 準備はいい!」


 あーしの言葉に応じて、ドローンが静かに上空へと飛び立った。


 カメラがあーしをしっかりと捉え、配信が開始された瞬間、リスナーたちのコメントが次々と流れ始める。


『花ちゃん、がんばって!』


『次はどんな魔物が出てくるのかな?』


『新しいエリア、ワクワクする!』


 コメントの波に背中を押されるように、あーしは石段を降り始めた。


 足元に注意を払いながら、少しずつ進んでいく。


 すると突然、洞穴の闇の中から無数の光りがいくつも見えた。


 あーしはすぐに〈光気功〉を発動。


 強化した五感で光の正体を見極める。


「ふ~ん、おっきなクモさんたちの登場ってわけね」


 全長2メートルの巨大蜘蛛が十数匹、あーしに向かって這い寄ってきた。


 ジャイアント・スパイダーっていう魔物だ。


 あーしが身構えると、ジャイアント・スパイダーが粘着性の糸を放ってきた。


 糸が空中を飛び交い、あーしを捕らえようとする。


 しかし、あーしは〈光気功〉を発動させ、身体能力を引き上げている。


 だから負けないんだよ!


 あーしは驚異的な速度で糸を避けながら、ジャイアント・スパイダーに接近した。


 そして1匹目のジャイアント・スパイダーに拳を繰り出すと、その巨体が吹き飛んだ。


 じゃんじゃん倒すよ!


 あーしは次々とジャイアント・スパイダーを倒していく。


「最後の1匹!」


 あーしは蝶のように空中を舞うと、最後のジャイアント・スパイダーの脳天に胴回し回転蹴り――〈疾風旋蹴しっぷうせんしゅう〉を放った。


 グシャッ!


 最後のジャイアント・スパイダーの脳天が潰れ、あーしの完全勝利に終わった。


『花ちゃん、すごすぎる!』


『ひええええええええ』


『こ、これが登録者10万人越えの実力者か……』


『あんなデカい蜘蛛を一撃で倒すなんてやるじゃねえか!』


『カッコイイ!』


「ふぅ……これで全部ね。よし、じゃあ下層に向かうよ」


 あーしがリスナーに呼びかけると、配信画面の向こうのリスナーたちの興奮したコメントが溢れていた。


『花ちゃん、マジで最強!』


『次のエリアでの活躍も期待してるよ!』


『100万人超えてくれ』


「もちろん、この調子でどんどん行くよ」


 あーしはウキウキと下層へと降りて行ったのだった。



〈ギャル空手家・花ちゃんch〉


 最大同接数 18万600人


 チャンネル登録者数 21万1000人

 

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