【完結】金髪ギャル空手家がダンジョン配信したら大バズリした件 ~圧倒的な強さで楽々とソロ攻略しすぎたから、その勢いで魔王を倒しに異世界へ行くことにしたよ❤
第31話 闘姫という称号、SSSのライセンスカード獲得!
第31話 闘姫という称号、SSSのライセンスカード獲得!
あーしはガストラル平原の一角に設置されたテントに入った。
他の冒険者たちは魔物の死体の後片付けをしている最中なのだが、その中でギルドマスターが是非ともあーしに会いたいと申し出てきたのだ。
そこであーしは、ギルマスターがいるテントにやってきたってわけ。
「英雄のご帰還だ!」
テントの中に入るなりあーしを出迎えてくれたのは、40代ぐらいの厳ついオジサンだった。
名前はサリバンさんだっただろうか。
この人が冒険者ギルドのギルドマスターというのは、このテントに来る前に他の冒険者から教えてもらった。
そんなサリバンさんは日頃から鍛えているのだろう。
シャツもズボンも盛り上がった筋肉でパツパツだった。
まるで「金髪の中山き〇に〇ん」みたいだなと思った。
まあ、それはさておき。
「君のおかげで大助かりだったよ」とサリバンさんがにっこり笑う。
その顔には感謝の色だけが浮かんでいる。
「こんなことぐらい楽勝だよ」
あーしが本音を言うと、サリバンさんは「ガハハ」とさらに笑った。
「いや~、気に入った! 俺は君みたいな強者が好きなんだ!」
そう言うとサリバンさんは、ズボンのポケットから1枚のカードを取り出した。
そのカードをあーしに手渡してくる。
「これは?」
「それはSSSランクのライセンスカードだ。それがあれば普通の冒険者が立ち入れない場所にも入れるし、冒険者連盟に加盟している店ならば半額で買い物できる。他にも高額な依頼が来たりと持っていて損はない」
「でも、あーしは冒険者じゃないですよ?」
「いや、君は立派な冒険者だ! それどころか、君の名前と活躍はこの国に永遠に語り継がれるだろう。それほどの活躍を君はしたんだ。君こそ英雄だよ」
と、サリバンさんはこっちが恥ずかしくなるほど褒め讃えてくれた。
うん、ちょっと恥ずかしい。
そのとき、あーしはハッとした。
「そうだ、ギルドマスターさん。ギルドマスターさんに聞きたいことがあるんです」
「ギルドマスターさんなんて他人行儀な呼び方はやめてくれ。俺のことは気軽にサリバンでいいぜ」
「じゃあ、サリバンさん。実はあーしは戦魔大陸に行きたいんですけど」
「え!」
サリバンさんの顔色が一変した。
「き、君は戦魔大陸がどういう場所かわかっているのか!」
こくりとあーしはうなずく。
「魔王がいる場所ですよね」
あーしは異世界から来たことは黙っておいたが、個人の事情でどうしても魔王を倒す必要があることを伝えた。
そして、その戦魔大陸に行くための飛行手段をサリバンさんが知っているということを知り、冒険者ギルドに来たときに今回の戦いに巻き込まれたとも伝えた。
「その情報を君に教えたのはまさか……」
「クロスさんです」
あーしは懐からクロスさんにもらった推薦状を取り出し、サリバンさんに渡した。
「嘘だろ! あの人を選ぶことで有名なクロスさんがこんな簡単に推薦状を渡すなんて……」
驚いたサリバンさんだったが、やがてあーしを見て首を縦に振った。
「なるほど……やはりクロスさんは慧眼の持ち主だったというわけだ。おそらく君がこの国の歴史に名を刻むほどの人物だと本能でわかったんだろう」
よしわかった、とサリバンさんは再びうなずく。
「これは墓場まで持っていく秘密だったんだが、君のような英雄に嘘をつくわけにはいかない。だが、具体的なことは俺にもわからないんだ。確かに俺は荷物持ちのときに勇者PTが戦魔大陸に向かったのを見たが、そのときの飛行手段である〈エアワン〉の情報は国のトップシークレット扱いにされている。だから、その〈エアワン〉のことを知っているのは国王もしくは魔法学園の学園長だろう」
サリバンさんが教えてくれたとき、テントの中に騎士が入ってきた。
「ここにおられましたか」
騎士はあーしを見るなり近づいてきて、片膝を立ててひざまづく。
「闘姫さま、どうか城にお越しください」
「え? 闘姫って何?」
「あなたさまは国を救った英雄です。今、騎士の間ではあなたさまのことを闘う姫で「闘姫さま」と呼んでおります。おっと、そんなことはどうでもいいですね。お願いは今言ったとおりでございます。我が国の国王がどうしても闘姫さまにお礼がしたいと申しております」
国王と聞いてあーしは決心した。
国王ならば銀色の円盤型の飛行手段――〈エアワン〉の在り処を教えてくれるかもしれない。
「いいよ、じゃあ行こうか」
こうして、あーしは騎士と王宮へ向かったのだった。
〈ギャル空手家・花ちゃんch〉
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