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「幸久様、本当におかしくなられてしまったって本当?」
「しっ。駄目よこんなところで話していたら」
「じゃあこっちに行きましょ。水津ヶ淵に行ったのよね? あの気味の悪い情婦を連れて」
「そうらしいわよ」
「探しに行った下男が、淵のほとりでぼろぼろの布を片手に握りしめて座り込んでた幸久様を見つけたんだって」
「そういえば最近、水津ヶ淵って水が真っ赤になってて気持ち悪かったわよねえ」
「紗代子様の亡骸も見つかったわけだし、やっぱり不気味だわ。気味の悪いことが続いている」
「この家、呪われているんだわ」
「蛟様の祟り」
「そうよ、きっとそうだわ」
「あの娘もきっと蛟様のモノだったのよ。それを幸久様が盗もうとしたから罰が当たったのね」
「じゃあ幸久様も自業自得ってこと……」
「これ以上はやめておきましょう――どこで誰が聞いているのかわからないのだから」
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